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隠ぺいされていた「統一球の変更」。謝罪会見の問題点は?

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加藤良三コミッショナーの「私は知らなかった」発言に唖然

「謝罪会見」というと、何らかの不祥事に対して何らかの形でのお詫びと説明があるものと解釈します。しかし、このたびの統一球変更の会見では、加藤良三コミッショナーの口からは謝罪どころか、「私は知らなかった」「不祥事とは思っていない」との発言が飛び出し、まさにリーダーとして上に立つものとは思えない責任転嫁の印象を受けました。もし仮に、本当に「知らなかった」のだとしても、まずは迷惑を掛けたプロ野球選手、そして関係者に、また、世間を騒がせたことに対して、コミッショナーとして「お詫びをすること」が必要でした。それはリーダーとして以前に社会人として当り前のことであり、最低限のマナーです。

ビジネスの世界においても、部下の過ちやミスに対して、そのことについての報告や連絡、相談がなく、上司は「知らなかった」としても、その部署の上司が頭を下げ、詫びるのが常です。それは、部下のミスは、その部下を管理できなかった上司のミスでもあるからです。そして、部下に同じ過ちを犯させないために反省をさせ、教育、指導を行い、成長を促していくのがリーダー(上司)としての本来の役割です。その役割を担うことで、リーダーも人として成長していくことができるのです。

きちんと「お詫びができる」ことで人としての器も備わる

このたびの問題は「選手に知らせていない、隠ぺいしていた」ということが最大の問題ではあるものの、そのことへのお詫びは上に立つ者としての重要な役目です。また、きちんと「お詫びができる」ことで、人としての器も備わるのです。怪我の功名ともいえるように、謝罪会見を通してイメージがアップした企業も実際にあります。

「自分は知らなかった」発言は、本当に知らなかったとしてもリーダとして口にしてはいけない見苦しい発言でした。また、この発言によって部下は内心大変な思いをしているでしょう。「リーダーが部下を守る」のではなく、無言のうちに部下に気を使わせ負担を負わせていることも容認できません。

このようなリーダー、上司を持つと部下は大変苦労しますが、それもまた、その上司から「何を学ぶのか」という点では反面教師にもできることです。今回の謝罪会見は、ビジネスの世界において上に立つ立場の人間にとっても大変意味深い会見であったと思います。

人間力を高める接遇マナー指導の専門家

豊岡厚惠さん(office●toyooka)

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