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もしも就職先がブラック企業だったら?

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個別労働紛争に備え、時間外労働・休日労働の時間数などをメモしておくと良い

もしも就職先がブラック企業だったら?

ブラック企業といっても様々な形態・態様が考えられますが、求人内容や始業・終業時刻や休憩・休日・休暇ならびに賃金などの労働条件が実態と違うといった場合は、ブラック企業の可能性があります。

個別労働紛争に備え、下記の記録やメモを準備しておくと良いでしょう。
(1)始業・就業の時刻ならびに時間外労働(早出・残業)・休日労働の有無
(2)時間外労働・休日労働の時間数および割増賃金額と賃金明細書
(3)その他、求人内容や労働条件が実態と異なると思えるもの(求人票・労働契約書、その他)

これらがある程度整ったら、勇気をふりしぼって上司にその旨を伝え、改善を求めてください。これは、とても勇気がいることだと思いますし、最悪、退職の覚悟も必要になるかもしれません。しかし、最初の一歩を踏み出さなければ次のステップに進むことはできません。稀に改善されるというケースもあります。改善された場合はブラック企業ではなく、単に「そういった事実を知らなかった企業」ということになります。

脅迫や厳しい叱責も、くじけずに記録する

改善を求めても実施されないブラック企業であった場合は、逆に脅迫じみた発言をもって叱責されることがあります。怖いとは思いますが、くじけずに会社とのやり取りをしっかりと記録しておいてください。

「時間外労働の割増賃金が支払われない」などの労働基準法違反の事案については、会社を管轄する労働基準監督署に相談を。その際には、事前に準備した記録やメモを持参してください。労働基準監督署では、調査の上、労働基準法違反と認められれば会社に対して是正勧告をし、不払い分の割増賃金の支払いを命じます。

民事的事案は、労働基準監督署併設の「総合労働相談コーナー」へ

その他、労働基準法以外の民事的事案(不当解雇や損害賠償請求など)については、労働基準監督署に併設されている「総合労働相談コーナー」に相談してください。総合労働相談コーナーでは、相談者の申出により、会社に対して労働局長が「助言・指導」を行ったり、紛争調整委員会による「あっせん」処理などを、無料で実施してくれたりします。

一般的には上記の機関によって迅速な解決を図ることができます。それでも解決しないときは、やむを得ませんが労働審判や民事裁判に移行することとなります。当然、費用や時間がかかります。

解決の後は、再就職をするのが良いでしょう。ブラック企業には、将来を期待することはできません。労働条件が劣悪な会社で嫌な思いで勤務するより、厳しい状況下ではありますが、普通の会社で再出発することをオススメします。

労働問題、年金、労働・社会保険のプロ

石倉伸一さん(青い森いしくら事務所)

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