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地方発「日本一のお店」をつくる極意

長野県松本市の書店が「日本一」に

地方発「日本一のお店」をつくる極意

書店激戦区といわれる長野県松本市の未来屋書店東松本店が、児童書出版のブロンズ新社(東京)主催の「第2回書店大賞」で、優れた展示を表彰する「ディスプレイ部門」のグランプリに選ばれました。激しい競争を勝ち抜いて「日本一」の絵本売り場をつくり出したのは30代の女性社員2名。業務や取り扱い品への愛情と情熱が、地方の一企業を全国的に注目される日本一へと導きました。「日本一」という言葉を聞いて、「うちは有名店じゃないから無理」と思ってしまっては、その心構えですでに負けてしまっています。

経営者の頭の中の青写真を形にすることが、日本一への秘訣

「思考は現実化する」(ナポレオン・ヒル著)という本があります。この邦題に全てが集約されていると言っても過言ではありません。本当のニーズは市場調査ではわかりません。ニーズは、既に経営者の中にあるのです。例えば、「自分が欲しいサービスは何か?」と考えたことはありますか?それが大事なのです。「私(=経営者)」が欲しいサービス・商品・雰囲気は、他の多くの人も同じように「欲しい」と思うはずです。

日本一は、売上や規模のみで測るのものとは限りません。例えば、「リピート率日本一」や「新規客紹介率日本一」「近所の人の率が日本一」など。経営者の頭の中の青写真を形にすることが、日本一への秘訣です。

現場に権限と責任を持たせていますか?

社労士として多くの店舗や企業を見てきた率直な感想として、意外にもこのことができていないお店や会社が多いのが実態です。さまざまな問題が発生するのは、まず現場です。そして、その問題に対応しなければならないのは現場にいるスタッフです。しかし、多くのお店では「上司に聞いてみないとわかりません」と言って逃げるか、本部が作成した分厚いマニュアル通りにしか動いてくれません。その割に「お客様第一主義」を掲げているところが多いものです。

あなたが経営者なら、「無闇に現場の人間に決済をさせられるか?」との反論もあるでしょう。もちろん、無闇に現場に任せろとは言えません。ホスピタリティで有名な某高級ホテルでは新入社員に徹底してマニュアルを叩きこむのだそうです。そのマニュアルが完璧にできるまで顧客の前には出さない。当然、行動規範も叩き込まれます。これらの「基本」が完璧にできるからこそ、現場で「臨機応変」の対応ができるのです。決して夢物語ではありません。

基本を叩き込み、判断基準を現場のスタッフに教えてあげていますか?そして、スタッフを信頼して用いてあげていますか?権限をふりかざすのが上司の仕事ではありません。上司やリーダーの仕事は部下を育てることと部下の後方支援です。自分がいなくても店舗が回るようにすることです。

値段でも知名度でもなく、顧客と共感できるか否かがポイント

そして、一本筋の通ったことを続けていますか?単発で行う割引やクーポン券の配布のことではありません。顧客が「あそこに行けば何かある」と思うような「何か」のことです。あなたが常連になっているお店があるとします。なぜ、そこに通うのでしょうか?そこに答えがあります。

ちなみに私には18年間、通っている美容室があります。そこは値段が安いわけでも最新鋭の設備があるわけでも、まして有名店でもありません。しかし、店長と趣味の話で盛り上がれるのが非常に心地良いのです。つまり、値段でも知名度でもなく、顧客と共感できるか否かがポイントです。

また、何かのサービスを売りにしたいなら、継続し続けることです。少しやって効果が出ないから止めるというのでは、顧客は振り向きません。そのためにも「継続できること」を継続しなければなりません。元プロサッカー選手のデビッド・ベッカムは、練習後に毎日リフテイングを200回続けて「黄金の右足を持つ男」と言われるようになりました。ぜひ「売り」を提供し続けてみてください。

「人財」を育て企業の健全な存続を支援するプロ

佐藤憲彦さん(さとう社会保険労務士事務所)

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