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コーラ比較CM、問われる品格

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日本的とは言えないペプシの比較広告

コーラ比較CM、問われる品格

ライバルのコカ・コーラとの比較をするペプシコーラの新しいCM「美味しさ」篇がネット上で話題を呼んでいます。比較広告が法的に問題になる事はないようですが、日本において、このようにストレートな広告表現が好感を持たれるのでしょうか。

日本は聖徳太子の「和を持って貴しとなす」以来、家族、地域、職場においても「和」を大切にしてきました。加えて、業種ごとにおいても社団法人や同業組合や協会等を作り、互いにそれなりの秩序を守ってきました。したがって、比較広告においても、以前の自社製品との比較が多く、他者をけなしたり、悪く言ったりすることは避けてきました。そればかりか、「敵に塩を送る」故事を美談として大切にしてきた国民です。つまり、たとえ、長年、敵対関係にある相手でも、争いの本質ではないことで敵が窮地に陥れば、救いの手を差し伸べるということで、このエピソードがもとで日本には「塩の記念日」があるくらいです。

他者への思いやりを基本とするのが日本人の感情

今から約40年前の年末年始広告で、キャンディーズの「おせちも良いけどカレーもね!」が話題になりました。まずは相手を褒めて、次に「自分のも検討してください」という、奥ゆかしくもあり、微笑ましくもあり、それでいてとても理解しやすい広告だったために日本人に受けたのだと思います。確かに、世界屈指の「飽食の国」「美食の国」における「美味しさ」の追求は大切ですが、その基準は人それぞれで、単に味覚のみではなく、人の感情も大きく影響します。

企業の目的は利益の追求で、自社の企業倫理に基づいた自由競争は必要あって然るべきですが、「郷に入れば郷に従え」。たとえ商品が優れていても、日本の伝統的な習慣にマッチした戦略が必要だと考えます。美味しさに自信があるなら、これに日本人の感情を加味すれば、まさに「鬼に金棒」。さらに効果が期待できるのではないでしょうか。この場合の礼節とは日本人の感情です。日本は農耕文化を中心に栄えた平和な国で、そんな社会背景から生まれた文化や礼儀作法は、品格が漂い、他者への思いやりを基本にしています。「敵に塩を送る」までとはいわないにせよ、あまりストレートで挑戦的な宣伝には好感が持てません。

平松幹夫

講演会で大活躍!マナーと生きがいづくりのプロ

マナー講師

平松幹夫さん(人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾)

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