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愛犬の問題行動を改善するには

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動物の問題行動の改善には、まず「5フリーダム」の確保を

愛犬の問題行動を改善するには

先日、高松市生島町の路上で登校中の児童4人が次々と犬にかみつかれました。県警高松北署によると、首輪をしていたそうです。

動物の問題行動の改善を考える時に、まずチェックしなければいけないのは、「5フリーダム」という「動物の自由」が確保されているかです。

①飢えと渇きからの解放・自由(正しい食事管理と新鮮な水の保障)
②不快感からの解放・自由(清潔で、心地よい住環境の保障)
③痛み・怪我・疾病からの解放・自由(疾病予防、早期発見、治療の機会の保障)
④恐怖と絶望からの解放・自由(恐怖や精神的苦痛を与えられない保障)
⑤正常な行動を示す自由(生来的な行動をとることの保障。習性の確保)

これらの項目が満たされず、ストレスフルな生活を強いられている犬は、ストレスコップが常に満杯です。少しの刺激であふれ出してしまうため、問題行動を発現しやすくなります。ストレスコップの中には、動物が生きていくために必要なストレスが常に半分ぐらいは溜まっていますが、そこに日々の様々な悪いストレスが注がれていくことで徐々に満杯になっていきます。

愛犬の様々なシグナルを読み取れるようになることも必要不可欠

しかし、満杯になるまでには、犬は様々なシグナルや身体症状を出すことで飼い主に知らせています。そのシグナルに気付き、満杯になる前に対処すれば、大きな問題行動を起こすことにはなりません。問題行動を改善するためには「5フリーダム」を確保し、飼い主が愛犬の様々なシグナルを読み取れるようになることも必要不可欠で、その上で「お座り・伏せ・待て」などのコミュニケーショントレーニングをして飼い主と犬との良好な関係を築き、犬をコントロールできるようにしなければいけません。

ただし、攻撃行動に対して蹴る・叩く・チョークする(首を一時的に絞めつける)などの体罰を行ったり強く叱ったりすると攻撃行動がさらに激しくなるので、トレーニングは必ず犬にとって価値のあるもの(食餌・おやつ・遊び・散歩など)を飼い主が褒美として与える正の強化を使って行います。

自然な欲求を満たしてあげながら穏やかに生活できるようにする

また、その他に重大な咬みつき事故を起こさない犬にするために必要なのは、幼少期の親兄弟との関わりや、生後4か月半までに「咬みつきの抑制」を教えることと、怖いものをなくしていく社会化トレーニングです。社会化不足により恐怖から攻撃行動に出る場合は、その対象となる物(人)に少しずつ馴らす脱感作と、「怖い・嫌い」という感情を「好き・楽しい」という感情に変化させる「拮抗条件付け」という行動修正法を専門家の指導の下で行う必要があります。

攻撃行動はすべての動物が持っていますが、何度も経験して学習することにより悪化していきます。一度、攻撃行動を起こして咬みついた犬が二度と咬みつかないようになる保証はないので、飼い主が環境も含めてしっかりと犬を管理することは欠かせません。そして、犬がそのような状況にならないように、一日のほとんどをサークルなどの狭い場所で過ごす生活や、短いリードで繋ぎっぱなしの生活をやめ、排除できるものは排除し、日々きちんと犬としての自然な欲求を満たしてあげながら穏やかに生活できるようにしてあげることです。

子犬の社会化トレーニングを推進するドッグトレーナー

洲崎ゆかりさん(Secil wan Company)

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