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心理的虐待急増、子どもと接する大人の責任

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心理的虐待によって植え付けられるトラウマ

心理的虐待急増、子どもと接する大人の責任

警察庁の発表によれば、昨年1年間、虐待を受けているとして児童相談所に通告した児童(18歳未満)の数は、前年を32%も上回る約2万1千人。中でも、57%の割合を占めた「心理的虐待」が急増しています。子どもへの心理的虐待はトラウマとなって、その後の人生において多大な影響をもたらします。私もEMDR(Eye Movement Desensitization and Reprocessing:眼球運動による脱感作と再処理法)セラピーというトラウマを解消する治療の中から、クライアントにとって何がきっかけになったのかを知る機会があります。幼少期の日常生活の出来事は、大人が想像する以上に強いインパクトとして記憶に残ります。

「両親がいつも言い争いをしていた」
「兄弟が親に強く叱られているのを見た」
「自分が強く叱られた、ぶたれた」

このような記憶は、「私は悪い人間だ」「私は何か間違ったことをした」「自分を信用できない」「自分を守ることが出来ない」「私は無力だ」など、自分を否定的に捉える考えに結びつきます。一度、このような考えを持つと、同じような出来事に遭遇する度に自己否定を繰り返し、何らかのきっかけで精神的、肉体的にも影響が出始めます。

「安心できる居場所」があれば、子どもは心理的虐待から救われる

大人は無自覚でも、子どもは「心理的虐待」だと感じることがあります。注意したいのは、子どものために発する言葉や叱責に、心配、いら立ち、不安、腹立ちなどの感情が伴っていないか。この感情を持って子どもに接することは、効果的な成果にはつながりません。一時的に効果があったように見えることもありますが、それは罰を受けるのが嫌で叱られるのを避ける為に行動するためです。将来的な病理を予防するため、無意識のうちに子どもへ心理的な負担をかけないように、大人ができる効果的な対応策を紹介します。

1、子どもに対応しようとする時に自分の感情に気付く
2、子どもに「わかってほしい」という気持ちがあることを理解する
3、自分の感情が処理できてから、子どもに温かい言葉をかける
4、「おはよう」「ありがとう」のような当たり前の言葉を積極的に掛ける(子どもに「居場所がある安心感」を与える)

「安心できる居場所」が、家庭、習い事、毎日通う保育所、幼稚園、学童など、どこか一か所でもあれば 子どもは心理的虐待から救われます。虐待を受けているかもしれない子どもに、「おはよう」「おかえりなさい」「元気?」と近所の方が言葉をかけることも、居場所がない、と感じている子どもには大きな援助になるのです。

アドラー心理学&発達性トラウマセラピスト

福田 シェシャドゥリ 育子さん(松戸こころの相談室)

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