中小企業が策定すべき防災対策

 | 防災士
仙波 誉子

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中小企業において取り組みが遅れる防災対策

中小企業が策定すべき防災対策企業において、大規模災害時に必要なこと。それは、「従業員や周辺住民の安全を一定期間確保すること」「被害を最小限に食い止めること」「早期復旧して企業活動の存続を図ること」です。今日、あらゆる危機に備えるために「事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)」の策定が求められています。総務省の平成24年度版情報通信白書によると、大企業で64.2%、中小企業で34.0%の企業が、策定済もしくは策定検討中であることを報告しています。導入が徐々に進んでいるものの、中小企業においては特に取り組みが遅れているのが現状です。

東京都では「帰宅困難者対策条例」があり、その中で「従業員の3日分の飲料水、食糧その他災害時における必要な物資」を備蓄することが努力義務として明記されています。また、備蓄の必要性が叫ばれているにもかかわらず、中小企業の10%に満たない企業でしか全てを備蓄できていないという報告もあります。中小企業の場合、防災に関する専門的知識やコスト等において、対応が難しいという問題があるのかもしれません。しかし、大規模災害が発生した場合、経営基盤の脆弱な中小企業は、事業縮小や廃業を余儀なくされるおそれがあります。そこで、中小企業も早急に防災対策に取り組む必要性が出てくるのです。

いかなる危機でも生き残る企業であるために。防災対策は必須

企業防災は、物的被害の軽減を目的とする「防災」と、企業の存続を目的とする「事業継続」の両側面から対策を講じる必要があります。これから対策を始める企業は、以下のような基礎となる防災対策から実施してみてください。

1、安否確認・緊急連絡体制の整備
・従業員(家族を含む)や取引先の連絡先リストの作成と連絡方法を確認する。
・災害用伝言ダイヤル等の活用方法を周知する。
2、緊急時の組織体制や対応準備
・指揮命令系統を明確にする(組織のトップが不在の場合も想定しておく)。
・緊急時にすべきことを幹部に周知する。
・顧客がいる場合の安全確保対策を考える。
・常に重要な情報のバックアップをしておく。
3、建物・設備の災害危険度の把握と対応
・建物の耐震診断を受けて、必要に応じ補強の計画を立てる。
・社内の書架・パソコンなど設備の固定やガラスの飛散防止をする。
4、災害用物資の備蓄

防災対策は経営者の責任です。経営者が率先して取り組むことが重要です。また、経営者や幹部は、災害発生時、会社に駆けつけ、対策本部を立ち上げて指示命令を出す立場にあります。家庭のことは家族に任せてすぐに現場へ迎えるように、まず各自の家庭の防災をしっかりと調えてください。

災害が頻発する昨今において、いかなる危機でも生き残る企業であるためには、事前の備えは必須です。防災対策を強化することは、生命の安全を確保するだけでなく、企業の信頼性を高めることにつながります。今から防災対策を始めましょう。

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