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愛犬の噛みつき事故で負うべき法的責任

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少子高齢化の影響でペット産業は活性化。トラブルも多い

愛犬の噛みつき事故で負うべき法的責任

先日、高松市の路上で、登校中の児童4人が次々と犬にかみつかれる事件が発生しました。また、少し前ですが、著名人夫婦の飼い犬が第三者にケガをさせた、ということで裁判になり、多額の損害賠償が認められたという報道がありました。

愛犬が第三者に危害を加えるという事態は、割とポピュラーなトラブルのひとつで、法律相談などでも頻繁に聞きますし、司法試験の問題の題材になったこともあります。少子高齢化の影響もあってか、ペット産業は活性化しているという話もありますので、今後も多くの人に関係する問題になるものと思われます。

「相当の注意」を飼い主が尽くしたのかどうかが争点に

愛犬が第三者に噛みついてケガをさせたという場合、その飼い主は、民法第718条第1項の「動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う」という規定により、被害者に対して損害賠償責任を負うことになります。もっとも、同ただし書において、「ただし、動物の種類及び性質に従い相当の注意をもってその管理をしたときは、その限りではない」と、飼い主が免責される場合が規定されていますので、実際の裁判の場面では、ここでいう「相当の注意」を飼い主が尽くしたのかどうかが問題になることがほとんどです。

では、「相当の注意」を尽くしたかどうかは、どういった基準で判断されるのかとうことですが、これは簡単に言ってしまうと、「①動物の種類・性質など動物自体の特性」「②保管状況など飼い主側の事情」「③動物への接近態様など被害者側の事情」などを総合的に考量して、ということになります。

飼い犬の場合、「犬」という時点で、小型犬であったとしても、そもそも人に危害を加える可能性を内包していると評価されるでしょうから、②しっかり鎖につないでいたにもかかわらず③被害者が執拗にちょっかいをかけた、というような事情などがなければ、「相当の注意」を尽くしていないと判断され、飼い主が損害賠償責任を負わなければならないケースが多くなるものと思われます。

動物好きの人にとって、ペットは家族同然の存在ですが、ペットも社会の中で生活する以上、社会から受け容れられ、みんなから可愛がってもらえる方が幸せなはずです。愛おしいペットが他人に危害を加える「加害者」にならないよう、細心の注意を払うとともに、万が一の場合に備えて保険の加入についても検討することをお勧めします。

個人と中小企業を支援する法律のプロ

佐々木伸さん(平野・佐々木法律事務所)

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