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契約社員が労組に加入するメリット

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三菱東京UFJ銀行、契約社員5000人を組合員に

契約社員が労組に加入するメリット

三菱東京UFJ銀行では、従業員約48,000人の20%超にあたる約12,000人を契約社員が占めていますが、今春から、そのうちの約5,000人が労働組合に加入しました。

現在、非正規雇用労働者は日本の労働者の約40%を占めているにもかかわらず、そのほとんどが労働組合に未加入です。労働組合に加入するとなれば、正社員と同様にベースアップ、昇給などの待遇改善を行うこととなり、企業にとっては負担が増えるため、労働組合の加入対象から除外することは、非正規労働者を雇用する企業側のメリットを活かすための措置として一般的に扱われていました。

しかし、他の業界でも「ユニクロ」や「トヨタ自動車」などの大手企業を中心に契約社員、パート・アルバイト等の正社員化や時給UPなど、非正規労働者の囲い込みが進んできています。これは、ここ数年の失業率低下の影響により、今のうちに有能な非正規労働者を確保しようという企業側の思惑が働いたと言えます。

今回の三菱東京UFJ銀行の取り組みは、大手銀行としては初めてであり、今後も労働組合への加入が進めば、労働組合の組織力がさらに強化されることとなりますので、会社側との交渉力は向上し、賃上げなどを中心とした労働条件の改善や将来的な雇用安定につながる可能性が高くなります。

労基法を上回る有給制度の新設や産休・育休の充実なども実現可能

たとえ正社員であっても、たった一人で賃金や労働時間などの待遇改善を交渉するのは容易ではありません。契約社員等の非正規雇用労働者では、なおさらです。このような労働条件の改善交渉を会社と対等な立場で行うのが労働組合の存在意義となります。

労働時間・休日・休暇などの基本的なルールは、労働基準法によって最低限の基準が定められていますが、労働組合がある職場では、企業側との団体交渉を通じて労働協約を締結します。労働組合に加入することで、企業の経営者側との交渉は労働組合が行いますので、例えば労働基準法を上回る有給休暇制度の新設や産休・育休の充実など新たな社内制度も実現が可能です。

銀行業界では、以前の正社員中心から非正規雇用労働者を戦力化した雇用形態に変化しています。パートタイム労働法の骨子である「同一労働同一賃金」や、労働契約法の「有期労働契約の無期転換」等の法改正により、今後はますます非正規雇用労働者を巡る取り扱いに影響することが予想されます。

企業防衛型の就業規則作成のプロ

田中靖浩さん(牧江・田中社会保険労務士法人)

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