消費増税で企業が得する「益税」

 | 税理士
山根 敏秀

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年商5,000万円を超える企業は1円の消費税も負担していない

消費増税で企業が得する「益税」消費税が、この4月から8%に増税されました。事前の周知も行き渡り、なんの混乱もなくスムーズにスタートしたように見えますが、増税直前の3月末のスーパーやデパートは、オイルショックの時代を彷彿とさせるような大混雑ぶりでした。なかには生活必需品やインスタント食品などを大量に購入している姿もありましたが、本当に家計の防衛のための購入なのか否か、疑問な買い方も多々見受けられました。

消費増税で国民の家計は苦しくなりますが、実は、税抜金額で年商5,000万円を超える企業は、1円の消費税も負担していないことを知っていますか?年商5,000万円を超える企業は、売上によって、消費者から預かった消費税から、仕入れや固定資産の購入によって支払った消費税を差し引いた差額(残額)を全て国に納税しているため、消費税が上がろうが下がろうが、実質的に負担する消費税はないのです(ただし、例外もあります)。

年商5,000万円以下の企業は、消費増税で益税が増える

年商5,000万円以下の企業には、簡易課税という制度の選択が認められています。この制度は、課税売上の金額にみなし仕入れ税率(業種によって決められた課税仕入れの率)を乗じた金額を、預かった消費税から差し引いて納税する制度です。

例えば、年商4,000万円の製造業者が消費税計算上の実質的な課税仕入れの割合が40%であった場合の国に納付すべき消費税額は、4,000万円×8%-4,000万円×40%×8%=320万円-128万円=192万円になります。

これに対し、同じ企業が簡易課税制度を選択した場合、製造業のみなし仕入れ税率70%(業種によって定められています)であるので、4,000万円×8%-4,000万円×70%×8%=320万円-224万円=96万円となり、簡易課税を選択したことで、96万円(192円-96万円)も預かった消費税が手元に残る(=益税)ことになるのです。この益税は、消費税5%時代と比べると、60%も多く手元に残ることとなったのです。

年商1,000万円以下の企業は消費税の納付が免除

基準年度の課税売上が1,000万円以下の企業は免税事業者と呼ばれ、消費税を預かったとしても国に納付することを免除されています。従来からある制度ですが、税抜金額の年商900万円の企業は、5%の消費税率の場合、45万円の消費税を預かっていたことになります。これが現行の8%になって消費税の預り額は72万円となり、27万円の預り消費税が増えることになりますが、納税を免除されているため、国には納める必要がありません。

経理能力が乏しいとされる小規模事業者への配慮とはいえ、モノやサービスの購入をするたびに8%の消費税を払っている国民感情からすると、首をかしげる人が多いのも納得できますね。

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