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コンタクトレンズによる眼障害が急増

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医療・病院

10人に1人がコンタクトレンズを装用。それに伴い眼障害が急増

子どものコンタクト、何歳からが妥当?

1991年に、使い捨てソフトコンタクトレンズが発売されてから、コンタクトレンズ(CL)装用者が急増しました。CL装用人口は全国で1500万~1800万人ともいわれ、国民の10人に1人が装用していると推測されています。それに伴いCLによる眼障害も急増。日本眼科医会(日眼医)の「CLによる眼障害アンケート調査」結果によると、CL眼障害者は平成13年3月までの1年間に6万8045件でした。また、平成15年1~2月の2か月間に26,137件あり、全国では約10%の眼障害が起こっていることが推計されます。以上の調査は日眼医に属している医療機関での調査のため、日眼医に属さない医療機関の報告は含まれていません。したがって、さらに多くの眼障害者が推計されます。その背景にはケア方法が簡便になったことやCL量販店の安売り販売、インターネット販売の普及などがあります。

CLには大きく分けて、ハードCL(HCL)とソフトCL(SCL)の2種類があり、SCLの使用者が、全装用者の約7割を占めています。SCLでは従来型の1~2年間使用するSCL以外に、1990年代前半から1日使い捨て、1週間使い捨て、2週間頻回交換SCL、定期交換SCLといった、いわゆる「使い捨てSCL」「ディスポ系SCL」といわれるSCLが登場し装用者も増えています。

CL眼障害の原因は、装用者側と処方する医師側、そして販売者側に問題があると考えられます。装用者は、CLが高度管理医療機器である認識に乏しいために、正しい使用法やレンズケア、定期検査を怠っていることなどがあります。また、処方する医師、販売者が同様の正しい方法を指示していないこともあります。処方する医師は、眼科知識を備えた眼科専門医による処方、そして販売者側はCL販売営業管理者による適切な販売が必要です。また、医師の処方なしでCLを販売していることが少なくありません。

正しい使用方法を理解できる中学生からの使用が許容範囲

HCLの場合、目に異物感があると本人はすぐに気付いて外すため、障害が起こっても重症化しにくい傾向にあります。一方、薄くて装用感のよいSCLの場合は、障害が起こっていることに気付きにくく、異物感や痛みを感じたときにはすでに症状が悪化しているケースが多くみられます。HCLよりもSCL、なかでも「1週間連続装用使い捨てSCL」で眼障害の年間発症率が高いことがわかります。また、「2週間交換SCL」は使用期限を守らないことや、不十分なケア方法などにより障害が増加していると考えられます。

日眼医が平成12年、平成15年、平成18年に、全国の小中高生を対象に実施したコンタクトレンズ装用状況に関する調査によると、平成12年、平成15年そして平成18年と調査年度ごとに、中高生の装用人数が全学年で増加していました。小学生の0.1%、中学生の5.9%、高校生の25.2%がCLを使っていますが、やはり正しい使用方法を理解できる中学生からの使用が許容範囲で、小学生の使用は望ましくないと考えられます。

近視・老視矯正・白内障手術のプロ

田川考作さん(小矢部たがわ眼科・金沢視力矯正レーザーセンター富山)

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