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企業が外国人採用に積極的なワケ

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外国人労働者、人手不足に悩む介護・建設業界の救世主に

企業が外国人採用に積極的なワケ

日本国内の外国人労働者の数は、平成25年10月末現在で過去最高の約72万人となりました(2014年1月31日、厚生労働省報道発表)。企業の外国人採用が積極的になってきましたが、その理由はどこにあるのでしょうか?

まず考えられるのが、人手不足を解消するための取り組みによるものです。人手不足に悩む業界では、特に外国人労働者への期待が高まっており、その一つが介護業界です。介護業界は、慢性的な人手不足に悩まされており、「2025年問題」をどのように対応するのかが注目されています。「2025年」には団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となり、5人に1人が後期高齢者になると予想されています。政府の試算では介護職員数を現状から約100万人以上増やす必要があるとされているため、給与が安く、体力的にも負担があり、故になかなか若い人材が定着しない介護業界においては、外国人労働者の活用は業界の救世主に成り得ると考えられています。

建設業界でも、東日本大震災の復興事業や2020年の東京五輪開催に向けた施設建設に携わる建設技能労働者の人手不足対策が急務となっており、政府は既存の外国人技能実習制度を利用し、建設業だけを対象とした緊急の時限措置として3年間の技能実習を、更に継続して2年間雇用を延長することを認めました。

組織のダイバーシティを実現。柔軟で革新的な人材の活用

次に挙げられるのが、組織のダイバーシティを実現するための外国人採用です。外資系企業の国内進出が増加する中、企業においては国際的な競争力を高める必要があります。組織のダイバーシティとは、性別、年齢、人種など様々な「違い」を尊重しあい、積極的に活用することにより、環境の変化や顧客ニーズの多様化に効率的に対応し、企業の競争力に活かすという組織戦略の考え方です。

日本人と文化や生活スタイル、価値観の異なる外国人を積極的に採用することにより、従来の日本の慣習にとらわれない柔軟で革新的なアイデアをもった人材を活用できる可能性が高まり、企業の競争力に磨きをかけることが期待されます。

海外進出における将来的な現地の幹部候補として採用・育成

また、ASEAN地域を中心とした海外進出を積極的に進める企業も年々増加傾向にありますが、反面、企業の海外進出が急加速した中で、マネジメントを任せられる現地人材不足等が原因で撤退を余儀なくされた企業も数多く、海外拠点の経営の安定化には優秀な人材の確保が必要不可欠となっています。

現地法人の経営戦略としては、日本で採用後、経営理念や仕事、品質、技術に対しての考え方などを理解させ、その後、母国の現地法人に赴任するという人事戦略が増えており、このように日本国内で基本的な考え方を理解した外国人を活用することは、海外に進出する企業の中長期的な経営戦略の基盤を固め、企業の成長を促すことに繋がります。そして、現場レベルでは、ローカルで採用したスタッフとの通訳や技術伝承等の橋渡し役としての役回りも期待されています。

企業防衛型の就業規則作成のプロ

田中靖浩さん(牧江・田中社会保険労務士法人)

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