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認定こども園、幼稚園や保育園との違い

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「教育目的」の幼稚園と「保育目的」の保育園

認定こども園、幼稚園や保育園との違い

認定こども園とは、幼稚園、保育所等のうち、一定の機能を備え、認定基準を満たし、都道府県知事から認定を受けた施設のことをいいます。法律的 には「就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律」という名前の特別な法律に基づくものです。

幼稚園は、法律上は学校教育法で「学校」にあたるものとされています(学校教育法1条)。幼稚園の目的は「義務教育及びその後の教育の基礎を培うものとして、幼児を保育し、幼児の健やかな成長のために適当な環境を与えて、その心身の発達を助長すること」(学校教育法22条)とされています。よって、幼稚園は、あくまでも「教育目的の施設」であると考えて良いでしょう。

一方、保育園は、法律上は「保育所」といい、児童福祉法で規定された「日日保護者の委託を受けて、保育に欠けるその乳児又は幼児を保育することを目的とする施設」(児童福祉法39条)を指します。 「保育に欠ける」というのは、保護者の労働、疾病、妊娠や出産、障害、介護などが理由で、乳児や幼児の保育ができない状態のことを指すと考えれば良いでしょう。 よって、保育園は、あくまでも「保育目的の施設」ということになります。

認定こども園は、幼稚園と保育園の機能が一体となったもの

認定こども園は、幼稚園が本来の目的である教育のための時間終了後にさらに保育を行う場合や、保育園が学校教育法23条に規定されている幼稚園における教育目標が達成されるよう保育を行う場合に認可されます。 つまり、教育を目的とする幼稚園の機能と、保育を目的とする保育園の機能が一体となったものと考えれば良いと思います。このことが、認定こども園と幼稚園、保育園との最も大きな違いです。

そして、認定こども園は、通園する乳児又は幼児の家庭に限らず、地域の子育て家庭を対象に子育て支援事業を行うことも求められています。この点も、幼稚園や保育園と違うところです。さらに、認定こども園の場合は、保育に欠ける乳児又は幼児でなくても預けることが可能です。つまり、親が就労していなくても預けられることになります。これは保育園との大きな違いです。

施設が費用を決定するため、認可保育園に比べて高額になる可能性

また、認定こども園は保育機能を有していることから、預かり時間は保育園とほぼ同様になり、幼稚園より長くなります。もっとも、幼稚園と同様の短時間の預かりも認められています。

最後に、利用者からみた場合、最も影響が大きいと思われるのは費用面ではないかと思われます。認定こども園では施設が費用を決定しますので、認可保育園に比べると高額になる可能性が高いのではないでしょうか。

それぞれの違いを比較して、使いやすいと思われる施設を利用してください。

川島英雄

交通事故・医療事故の被害者を守る法律のプロ

弁護士

川島英雄さん(札幌おおぞら法律事務所)

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