桂歌丸を襲ったCOPDの恐怖

 | 内科医
大西 勝也

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たばこの煙によって肺の構造が壊れる病気

桂歌丸を襲ったCOPDとは?落語家の桂歌丸さんが、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の悪化などにより入退院されているという、残念なニュースをみかけました。COPDとは、主にたばこの煙によって肺の構造が壊れてしまい、肺の細かい気管支がより細くなり、空気をうまく吐き出せなくなる病気です。たばこを吸っている人、もしくは過去に吸っていた人、空気の悪いところに住んでいた人に多くみられ、日本人には約500万人がCOPDを患っていると推定されています。

症状は、咳、痰、息切れが有名です。しかし、息切れがあると、苦しくて歩かなくなり、逆に息切れを訴えなくなる患者さんも多く、注意が必要です。また、「風邪をひいて、なかなか咳が止まらない」という症状を訴える人もいます。

COPDの患者は心臓病リスクが高い

COPDの恐いところは、肺だけの病気ではないということ。全身に炎症や「酸化ストレス」という血管や組織を痛めつける物質を出し、糖尿病、貧血、骨粗鬆症、胃十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、うつなどを引き起こします。中でも最も恐いのが心臓病です。COPDの患者では、健康な人と比べて狭心症や心筋梗塞が約2倍、心不全が約4倍、起こりやすいと言われています。「咳が続くな」と思っていたら、ある日突然、心臓発作が起きて救急車で運ばれるということがありうるわけです。日本では、心臓病で循環器にかかっている患者の約20%は、COPDを併せ持っていると言われています。

まずは禁煙。そして、毎日歩く習慣を

COPDは、たばこ害の病気ですから、まずは禁煙が重要です。また、たばこの煙を吸うと息苦しさが増幅しますので、患者はたばこが吸われている場所に行かない、そして周りのもたばこを控えるというのが重要です。お薬は、細くなった気管支を広げるようなものが選ばれます。その中でも、吸入薬が最も安全で効果的で、副作用がなく、お勧めです。長時間作用型の「抗コリン薬」や「β刺激薬」といったお薬がそれにあたりますが、手のひらに乗るような小さな使い捨ての携帯用です。はじめは慣れないので抵抗があるかもしれませんが、高齢者も上手に使えるので、医師から勧められたら一度トライしてみてください。

お薬で症状は回復できて、早期に使えばCOPDの進展を抑えるかもしれません。しかし、一度壊れた肺はなかなか元に戻りません。快適な日常生活を送るためには、歩けるようにしないといけません。そのために、背中、おしり、足の筋力を維持する必要があります。一番良いのは、お散歩です。毎日、歩く習慣をつけましょう。心臓病の予防にも、歩くことが重要です。医師と相談して、適度な運動を行ってください。

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