産後クライシスを乗り越える夫婦論

 | 心理カウンセラー
北見 由紀

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子育てへの不安など、産後の女性には心身に負荷がかかる

産後クライシスを乗り越える夫婦論出産後、子育てや家事への夫の関与について妻が不満を抱き、夫婦の仲が冷えこむことを「産後クライシス」と呼びます。産後の女性には「子育てへの不安からくる産後ブルー」や「ホルモンバランスの変化による性欲減退・攻撃性の増加」など、心身ともに負荷がかかります。そんな時、夫のサポートやねぎらいが妻の助けになることは言うまでもありませんが、「ただ、そのときだけ手伝えば良い」ということではありません。

家族構成が変化することで、夫婦の関係は変わってきます。それまでに保たれていたバランスが崩れるので、新しい状況に適応していくためには努力して、夫婦ともに自分を成長させていくことが必要です。

女性は自己存在重視、男性は社会的役割重視、価値観の違いを理解

女性にとって出産は、「母子一体を感じる幸せなもの」である反面、「自分の思い通りの生活ができなくなる」という不自由さを伴います。自由を失い、社会から取り残された気分になることもあります。自分の思い通りにいかないことだらけでイライラします。夫が育児や家事を手伝ってくれたところで「もう、気が利かないなぁ」とダメ出ししてしまいます。

夫の側も、出産直後は妻の大変さや機嫌の悪さに寄り添うことができますが、いつまでもそんな状態が続くと逃げたい気持ちになったり、「こっちは仕事で大変なんだ」と不満に思ったりするでしょう。しかし、そんなときこそコミュニケーションを取り、言いたいことを言い合える、じっくりと話し合える夫婦になっておくことが大切です。

話し合いのときは、どうしても互いの足りない部分を指摘したくなり、不満をぶつけあうなど「水掛け論」になってしまいがちですが、「子育ては共同作業、どのように協力すればうまくいくのか」という原点を忘れないようにしましょう。「私を一人の女性として扱ってほしい」という自己存在重視の女性と、「家族のために外で一生懸命働いているのに何が不満なんだ」という社会的役割重視の男性。その価値観の違いも理解しておいた方が良いでしょう。

「産後」は、将来の夫婦の危機に備える訓練の場

長い夫婦生活には、出産以外にもさまざまなライフイベントが待っています。中年以降の夫婦間では、「産後クライシス」など、ひとつひとつの問題が未解決のままで、のちに正体不明の大きなしこりとなって表れている場合があります。夫婦のどちらかが「無理な我慢」をして問題を飲み込んだつもりになっていても、いずれは向き合わないといけないときがやってきます。「産後」は、これからやってくる危機に備える訓練の場です。

少々しんどい思いをしても、意見をたたかわせ、個である相手を認め、折り合いをつけていくプロセスにおいて、夫婦の結びつきを深めておくのが良いでしょう。夫婦の冷え込みを防ぐのは「違いを恐れないコミュニケーション」です。

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