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ふるさと納税の賢い活用法とは

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所得税 計算

「ふるさと納税」はうまく活用すればとてもお得な制度

ふるさと納税の賢い活用法とは

自宅や勤務先に、平成26年度の住民税納税通知書が届く時期になりました。「ふるさと納税制度を利用すれば、2000円を負担するだけで牛肉や果実が貰える」と瞬間的にひらめいた人は、かなり時流に敏い人です。「ふるさと納税」は、うまく活用すればとてもお得な制度です。ただ残念ながら、これからアクションを起こしても今回の納税には間に合いません。年末までに所定の寄付をして、税制メリットを享受できるのは来年となります。

平成20年の地方税法改正により、鳴り物入りでスタートした「ふるさと納税」ですが、年間利用者は3万人止まりで評判は芳しくありませんでした。5000円(改正前)の自己負担に加え、面倒な確定申告をしても、寄付金と同額の控除しか受けられなければ当然の結果と言えます。単なるノスタルジアでは、容易に納税者は動きません。

状況が一変したのは、平成23年3月11日の東日本大震災の後です。翌年の利用者は74万1000人に達し、寄付金の額も649億円と激増しました。平成25年の利用者は大幅減になりましたが、それでも従前の3倍近い水準を保っており、今後も利用者の漸増が見込まれています。

根強い人気には、どうやら理由があるようです。受贈側の自治体が、寄付へのお礼として用意した地元の特産品です。制度本来の趣旨にはいささか馴染みませんが、「ふるさと納税」をうまく使い、特典を受けるためのコツを簡単に説明します。

2000円の負担分を除き全額が戻って来ることも。ポイントは?

所得税及び住民税の寄付金控除により、極力自己負担額を減らし、一方で希望する特産品をもらうためには、「自治体にいくら寄付すれば良いのか」を計算します。これが最も重要ですが、少し税制面での知識が必要になります。

金額の制限ですが、上限はありません。いくら寄付しても良いのですが、一定額を超えると所得税や住民税の寄付金控除が全く受けられなくなります。一方下限は原則なしですが、2000円以上と決めている自治体もあるようです。

従来から、国や地方公共団体に対する寄付金控除制度はありますが、寄付金の全額が戻ってくるわけではありません。「ふるさと納税」制度では、2000円のミニマム負担分を除き全額が戻って来る場合があります。これがミソです。

ポイントは、個人住民税特例分の控除です。住民税所得割額の1割が限度とされているため、実質的にはこれで自己負担額が決定します。サラリーマンでほかに所得のない人は、エクセル書式の簡易判定表を利用すれば簡単に控除額がわかります。一方、個人事業者や株式売却益などの分離課税の所得がある人は、自分で住民税所得割額を出すのは難しいと思うので、前年の納税通知書を参考におおよその控除額をつかむのが良いでしょう。

カタログギフト感覚でお得なショッピングを楽しめる

次に、牛肉・米・果実・水産物など希望の特産品を、どの市町村がどのような条件で用意しているかを調査します。総務省の関連サイトには、実施都道府県・市町村の一覧表が掲載されています。市町村により内容にバラつきがあり、感謝の気持ちだけと言うところも少なくありません。都道府県による特典の実施は、調べた限りありませんでした。

山形県尾花沢市を例に取れば、3万円以上の寄付で、山形牛肩ロース500g、幻酒翁山1.8リットル、尾花沢スイカ(5Lサイズ)2個など、29品目の中から2品を選ぶことができます。市町村への寄付が複数にまたがっても差し支えありません。尾花沢市の特産品の他に、夕張メロンが欲しければ、夕張市への1万5000円以上の寄付で、等級優のメロン玉1個がもらえます。

このように、「ふるさと納税」では、カタログギフト感覚でお得なショッピングを楽しむことができます。

老後に備えた資産形成や不動産活用を顧客目線で考える税理士

松浦章彦さん(<Office MⅡ>松浦章彦税理士事務所)

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