ディズニーに再燃する労働トラブル、問題点は?

 | 社会保険労務士
影山 正伸

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過去にも社会保険の加入漏れや労災問題が発覚

ディズニーに再燃する労働トラブル、問題点は?ディズニーランドを運営するオリエンタルランドで、労働トラブルが再燃しています。再燃ということは、過去にも問題があった、ということです。2000年には、アルバイト1600人の社会保険(健康保険・厚生年金保険)の加入漏れが発覚しました。2カ月以内の短期雇用は、社会保険に加入義務はありません。これを利用して、アルバイトを2カ月の短期雇用契約で繰り返し更新。実態としては、長期契約と何ら変わらなかったにもかかわらず、社会保険に加入させていなかったのです。

また、2007年には、パレードで働いていたダンサーがケガをした際、このダンサーについて、間に請負業者を挟んでいたため(直接オリエンタルランドが雇用していた訳では無いので)、労災は受けられないと拒否しました。しかし、「実態は、オリエンタルランドの労働者である」とされ、労災が認められました。

突然解雇されたダンサーとの請負問題が再燃

2007年の問題により、一部のダンサーは直接雇用されたようですが、大半のダンサーは今まで通り、業務請負契約をした中間業者との間で、雇用契約を結ばざるを得なかったようです。今回、このダンサーたちが「ショーの再編のため」という理由で、突然解雇されてしまいました。ダンサーたちはオリエンタルランドと団体交渉をするため、労働組合「オリエンタルランド・ユニオン」を結成して、団体交渉を申し込んでいます。しかし、オリエンタルランドは、「あくまでも中間業者の労働者であって、直接雇用では無い」という理由で、団体交渉を拒否しています。

下請けの社員に対し元請けが指揮命令を出すのは職業安定法違反

業務請負については建設会社を例に取るとわかりやすいでしょう。建設現場では、元請け(ゼネコンなど)が多くの下請け(業務請負)を使用しています。元請けは、この部分については「〇日までに終わらせてくれ、それに対して請負い金額〇円を支払う」という契約をしています。元請けは、下請けの社員に対しては、仕事について一切の指揮命令を行いません。行ってしまえば請負ではなくなり、偽装請負となってしまうからです。これは、職業安定法違反行為です。指揮命令をするなら直接雇用をすれば良いものを、請負にすると中間業者が利益を得るため、結局労働者の賃金をピンハネすることになり、賃金が低く抑えられてしまいます。オリエンタルランドのダンサーも同じことです。

また、請負業者を通すことで、仕事が少なくなったり、無くなったりした場合に、中間業者と請負契約の解除をすれば良く、直接労働者を解雇する必要が無いので手を煩わせなくて済むのです。これでは雇用が安定しません。労働組合の主張によると、ダンサーたちは、直接オリエンタルランドから時間管理や、技術指導を受けており、「実態とすると直接雇用される労働者と何ら変わりはない」ということです。今後、どのような決着を見るか、見守りたいと思います。

外から見ると夢の国であるディズニーランド。中で働く人にとっても夢の国であって欲しいものです。

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