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なぜ人は「危険ドラッグ」に惹かれるのか

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罰則強化も「危険ドラッグ」使用の実態はますます深刻化

なぜ人は「危険ドラッグ」に惹かれるのか

いわゆる「脱法ハーブ」(警察庁が「危険ドラッグ」の新名称を決定したため、以下はそれを使用)の影響下と思われる事件や事故が頻発する中で、厚生労働省は矢継ぎ早に政令を発し、幻覚等の作用を有する物を次々に指定薬物として製造・販売を禁止しました。さらに今年4月からは、その所持や使用等も禁止するなど規制を強め、罰則強化に乗り出しています。

しかしながら、指定薬物はすでに1300以上に及ぶものの、次々に新たな「危険ドラッグ」が生まれており、まさに「いたちごっこ」の感があります。また、罰則も最高5年の懲役が課されるなど強化されていますが、それにも関わらず重大な交通事件などを伴う「危険ドラッグ」の使用は止む気配を示していません。

危険性に関する知識不足が「危険ドラッグ」使用の背景に

なぜ人が「危険ドラッグ」に惹かれるのかを突き止めない限り、規制強化や単なる「使用は絶対ダメ!」といったキャンペーンだけでは、使用者は減らないと思います。

「危険ドラッグ」使用の背景にあるのは、一時的な多幸感や高揚感を求める気持ちでしょう。一方で「危険ドラッグ」の使用は、幻覚や意識障害・呼吸困難などの重大な問題を引き起こすことがわかっています。したがって、「危険ドラッグ」に手を出す人の中には、本当の怖さを理解していないケースが多いのではないでしょうか。

そのような人に単に「絶対ダメ!」と声高に訴えるのは、薬物への関心を喚起してしまう逆の効果が出る可能性があります。それよりも「危険ドラッグ」を軽い気持ちで使用することが、いかに脳など心身に大きな障害を及ぼすかを、わかりやすく説明するのが良いでしょう。その意味で、政府のインターネットテレビによる広報番組は参考になります。

短絡的な欲求充足に向かうのは社会の風潮の影響も無視できない

このように、まず「危険ドラッグ」の怖さをよく知ることが大切ですが、危険性を認識しながらも使用に至る人もかなりいると考えられることから、心理機制(短絡的な多幸感や高揚感を求める)に対する方策も必要です。

個人の資質の問題もありますが、もっと深層には個人を取り巻く社会の風潮の影響も無視できないと考えます。その一つは、「お金さえ出せば何でも簡単に手に入る(幸せも例外でない)」といった風潮です。このような風潮に対しては、「本当の精神的な充足は、実際に体を動かしたりする中でしか得られない」ということを、もっと若者たちに伝えなければならないと思います。その具体例はボランティア活動への参加でしょう。

もう一つが、結果ばかりを早急に求める風潮です。これに対しては、「成功したかどうかの結果で評価するのでなく、それに至るまでどう努力したかの経過の評価がより重要」との認識を広めることが必要と考えます。

心理相談・カウンセリングのスペシャリスト

村田晃さん(うつ心理相談センター東京)

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