佐世保事件を受けて 子どもの心のケア、どうすれば?

 | 心理カウンセラー
北見 由紀

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生命に関わる事態に巻き込まれると、人は多大なストレスを感じる

佐世保事件を受けて 子どもの心のケア、どうすれば?長崎県佐世保市で、高校一年生の女子生徒が同級生を殺害・逮捕された事件を受けて、生徒たちの心のケアが求められています。

事件や事故、大きな災害といった生命に関わる事態に巻き込まれると、人は多大なストレスを感じます。今回の事件では、友人が突然亡くなってしまったことへのショックや悲しみとともに、こういう事態を避けられなかったことへの無力感や自責の念、自分は元気であることへの罪悪感、人を信じることへの恐怖などの心的外傷を形成している子どもも大勢いることと思います。

身体的な反応の主な症状は「フラッシュバックや、悪夢を見る」「ボーっとする」「事件に関係する事柄をさける」「不眠や不安が強く現れる」などです。人によって度合いは違いますが、受け入れがたい衝撃的な出来事を前にすると誰にでも起こり得る反応です。そしてこれは、今回の事件に限ったことではありません。

家庭や学校は子どもの「安心の場」となるように

日常生活を取り戻すためには、第一に安心の場「家庭や学校」の確保です。話したい時や甘えたい時に、素直な感情を出せる相手が必要にとなります。身近にいる大人が受け止めてあげることで、子どもは心を回復させていくことができます。話を聴く際には、過度に元気づける必要はありません。心に寄り添い、「そういう気持ちなんだね」「そう感じるのは自然なことだよ」と「共感」をしてあげることで、子どもは安心するのです。

学校では、スクールカウンセラーによるサポート体制を整えたり、自分から話をするのが苦手な子のためにアンケートや心のチェックシートを利用したりすることが有効でしょう。中には、自分の気持ちを言葉にできない状態に陥っている子どももいる可能性があるので、そっとしておくだけでなく、学校と家庭の両面で「能動的な見守り行動」を行き届かせ、子どもからのサインを見逃さないように気をつけていくことが大切です。

人により再生し得る人の心。長引くときはPTSDの可能性も

「人は人の間で傷つくけれども、人の間で癒やされもする」と言われます。自分の内面的な体験に共感してくれる大人や、同じ体験を分かち合える学校の仲間の存在は大きいものです。

それでもなお「眠れない」「不安で落ち着きがない」など先にあげた身体反応が1か月以上続く場合は、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症していることが考えられますので、トラウマカウンセリングや絵画・箱庭などの芸術療法をお勧めします。凍りついた記憶を、その子のペースに合わせて徐々に解かしていってあげてください。

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