もはや他人事ではない「ハラスメント加害者」にならないために

 | 社会保険労務士
庄司 英尚

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誰もがハラスメント加害者になる可能性がある

もはや他人事ではない「ハラスメント加害者」にならないために今年の5月30日、厚生労働省が2013年度の個別労働紛争の相談状況を発表。その資料によると、パワハラを示す「いじめ・嫌がらせ」の相談件数は前年比14.6%増の5万9197件に上り、10年前の約5倍に急増している実態が浮き彫りとなりました。

パワハラに限らず、セクハラなども含めたハラスメントに関するトラブルは身近なものとなっており、大企業に限らず中小企業でも社員研修やセミナーなどを通じて予防対策に力を入れ始めています。しかしながら、管理職向けのパワハラ研修などは比較的多く開催されていますが、一般社員向けというところまで浸透しているわけではなく、ハラスメントに関しての意識はまだまだ高くないのが現状です。

誰もがハラスメント加害者になる可能性があるということを踏まえて、どのような点に注意すべきかについて解説します。

「これまでの慣習だから」という自己中心的な価値観は捨てるべき

ハラスメントの加害者にならないためには、ハラスメントの基本的な定義や周辺知識を学んだ上で、自分の言動に責任を持つというのが基本です。ハラスメントは、「相手に不快感や脅威を感じさせる不適切な言動」のことをいいますが、これは「判断基準は受け手にある」ということに他なりません。相手がどう思うかということを常に考え、さらに言動の受け止め方は個人によって大きな差があるということを忘れないことです。

だからこそ、相手が嫌がる態度を示した際には、即座にその言動を控えなければなりません。具体的には、自分の家族がそのような言動を受けたときにどう考えるかを基準にして考えてみると良いでしょう。とにかく、この数年の間に環境が大きく変化したことを真摯に受け止めて「この程度なら大丈夫」「これまでの慣習だから」というような自己中心的な価値観はすぐに捨てることが大切です。

企業とともに加害者個人にも損害賠償支払い命令も

これだけ「ハラスメント」という言葉を聞く機会が多くなると、過剰に反応する人も出てきますが、このような人と接する際には要注意です。特に、上司と部下との人間関係がうまくいっていない場合、上司がちょっと叱っただけでもパワハラと騒がれてしまう可能性があります。パワハラ加害者と言われないようにするためには、「行き過ぎた指導をしない」「密室で叱責しない」「長時間にわたって指導を続けない」「大勢の前で見せしめのような叱責をしない」「暴言を吐かない」「無視しない」などには注意したいところです。ついつい感情的になってしまった結果として、パワハラ加害者になってしまうするケースも多いので、ちょっと一息ついて深呼吸するような余裕があると良いでしょう。

各種メディアでは、パワハラによって自殺に追い込まれた人の事件のことや、パワハラで上司が提訴された事例を取り上げる機会も以前に比べるとかなり増えました。先日もパワハラに関する訴訟で、企業とともに上司にも損害賠償支払い命令があったばかりで、もはや他人事ではなくなっています。

最後に「パワハラ」や「セクハラ」だけでなく、最近では「マタハラ」や「アルハラ」「モラハラ」「スメハラ」などについても話題にあがることが増えてきました。自分には無縁と思っていても意外と影で迷惑をかけていることもあるかもしれません。冷静になって、自分の一日の言動と周囲の人との関係性について、たまには振り返ってみるのも良いといえます。

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