遺言あれば揉めない?相続対策に万全を期すには

 | 司法書士
山口 里美

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「遺言」を残すことが相続対策として最も効果が大きい

遺言あれば揉めない?相続対策に万全を期すにはいよいよ、本年1月1日に相続税の改正が行われました。昨年から、その対策が叫ばれてきましたが、現実にスタートです。昨年には民法の相続分の変更もあり、さらに相続が「争族」となることが懸念されています。

親世代が残した財産を相続人間で分ける方法は、(1)遺言があればそれに従う、(2)相続人間で遺産分割の協議をする、(3)法定相続分に従う、という順番です。したがって、「遺言」を残すことが相続対策として最も効果が大きいということになります。

思いを残す「付言事項」や「エンディングノート」の活用を

しかし、遺言の中で決めておけるのは基本的に財産の分け方です。「兄には不動産を、弟には預金を」と、結果だけを知る子世代は、そこに至る過程を知る術はなく、不満に思うことも少なくありません。遺言書作成時には「付言事項」として、遺言者の思いや遺された家族への希望を書き加えることができますので、活用をお勧めします。

そして、思いを遺言に遺すことに抵抗がある人にお勧めしたいのが、エンディングノートです。エンディングノートは、記載する事項に法的効力はありません。しかし、だからこそ自由に、親世代の思いや希望を書き残しておくことが可能です。「こんな葬儀をしてほしい」「ここに散骨してほしい」など、遺言に書ききれなかった事項を伝えることも可能です。

「民事信託」の活用も。親と子が時間を共有することから始める

また、「民事信託」の活用もお勧めです。主として金融機関が扱っている商事信託に対して、家族間などで締結する契約を「民事信託」といいます。登場人物は、「委託者」「受託者」「受益者」。(1)再婚した夫婦で、その夫婦間には子どもがおらず、前の結婚の時に子どもがいる、(2)障がいを持った子どもいて、夫婦が亡くなった後に、残された子どもが不自由なく暮らしていけるかどうか不安、などのケースにおいて、とても有益です。その家族の様子を詳細にヒアリングした上で信託契約を行うことになりますが、遺言を補う手法であるとも考えます。

そして、最も大切なのは、普段から親世代から子世代へ引き継ぐべきことを話し合っておくことです。年末年始、お盆、ゴールデンウイークなどの行事の際に、親世代と子世代が向き合って時間を共有することから始めましょう。親と子の距離が近くなることで、遺言やエンディングノートの話もしやすくなり、様々な方法を選択できるようになります。

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