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社会の要求によって変わる教育方法の正解とは?

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昔は子育てについても親世代の考えがそのまま通用したが…

社会の要求によって変わる教育方法の正解とは?

今の親世代の親世代、つまり祖父母の世代は、子育てについてわからないことがあれば、自分の親、つまり曾祖父母に教わっていました。おむつの変え方やミルクのあげ方、子どもの躾(しつけ)など、親世代の考えがそのまま通用したということです。しかし、今の親世代は、自分の親から子育てについて習うようなことが少なくなってきました。それは、子育ての方法や考え方が、祖父母世代とだいぶ異なってきたからです。

例えば、「子どもが泣けば抱っこをするのがいいのかどうか」という問題。実は祖父母世代まで、子どもが泣いても、すぐに抱っこをしてはいけないと言われていました。「抱っこ癖」がつき、子どもがすぐにせがむようになり、親が大変だという理由からです。また、「甘やかし」になるからという理由もあります。一方、現在は泣いている子どもと心のコミュニケーションを取るため、すぐに抱っこするのが正解とされます。

社会の変化に伴い、親が社会から要求される内容も変化

子ども自体は変わっていないのに、推奨される子育て方法は10年もたてばかなり変わってきます。それは、社会の変化に伴い、親が社会から要求される内容も変わっているからだとされています。子育ては家の中だけのものではなく、社会的な意味合いも含まれているのでしょう。

社会が「ある子ども像」を要求するのは、そうした子どもが社会の構成員になることが、社会の維持発展に必要だと考えられているからです。最近の、電車内やファミリーレストランで大声を出す子どもに対する親へのバッシングなどは、公共の場所では静かにするという道徳を社会から強く要請されていることを物語っています。

子育ての役割分担が地域の教育力を高めることにつながる

さて、そこで考えたいのは、社会が要求する「子ども像」をかなえる場所は、家庭だけではないということです。社会が求める「子ども像」は、多岐に渡ります。基本的な生活態度といった家庭で身につけるべきものもあれば、社会人として必要な知識や技術など、家庭よりも学校などで養われる資質もあります。

先日、インターネットサイトの記事にて、過度の甘やかしが将来のリーダーになる資質を奪ってしまうとの記事が掲載されていました。「リーダーシップ」を例に考えれば、どちらかといえば、家庭よりも学校や地域などで身につけたほうが有利なのではないかと思います。ただ、だからといって、家庭が放棄していいことでもありません。家庭ではリーダーシップを養うための基礎をつくり、家庭外でその上に新たな能力を身につける。今後、そうした役割分担が必要になってきます。

子育ては、全員で役割分担をする。それが、地域の教育力を高めることにもつながります。地域でさまざまな人と出会い、あらゆることを吸収し、幅広い人間に育ってもらう。それが今、社会に必要な子育てではないかと思います。

不登校など非行で悩める親子と共に歩む子育て支援のプロ

船越克真さん(船越教育相談室)

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