入れ墨客の規制緩和!求められる日本人の意識改革

 | グローバル人材コンサルタント
千葉 祐大

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温泉施設やリゾート施設で入れ墨やタトゥーの規制緩和の動き

入れ墨客の規制緩和!求められる日本人の意識改革先日、全国の温浴施設やリゾート施設で、入れ墨やタトゥーを理由とした入浴・入館規制を緩和する動きが出ているとの報道がありました。2020年に開催される東京五輪・パラリンピックに向け、「海外との文化の違いを理解し、もっと柔軟に対応すべきだ」との声を受けての動きのようです。

もともとこの規制の趣旨は、「その筋」と思しき客の入場により、他の利用者の平穏が害されるのを防ぐことにありました。これまで日本社会では、「入れ墨をした者=暴力団」、またはそれに準ずる「ならず者」という捉え方が一般的だったため、このような「見た目だけの」判断にも合理性があったことは確かかもしれません。

社会の多様化に現実の対応が追いつかない

しかし、現代では一般的な日本人の若者が、ファッション感覚で気軽にタトゥーを入れることも珍しくなくなりました。そして何より、訪日外国人の増加に伴い、タトゥーをファッションや宗教的モチーフと考える外国人が、今後ますます全国の温泉施設に押し寄せてくることが予想されます。これまでのような画一的な判断が、もはや時代遅れになっていることは言うまでもありません。社会の多様化が進むスピードに、現実の対応が十分に追いつけていない代表的な事例といえるでしょう。

似たような例として最近話題となっているのが、イスラム教徒(ムスリム)の訪日観光客に対する温泉施設の対応です。イスラム教では、公衆の面前で裸の姿をさらすことはタブーとされているため、見ず知らずの人と全裸で温泉に入ることが許されません。にもかかわらず、現状はほとんどの温泉施設が、「水着を着用して温泉に入らせてほしい」との訴えを無下に断っているといいます。「日本文化の象徴である『オンセン』に一度は入ってみたい」と考えるムスリム観光客が、少なからず存在するにも関わらずです。

多様性を受け入れる意識改革が求められる

そもそも「水着を着用して温泉に入ってはならない」という規制の趣旨は、衛生的な面が理由のはずです。そうであるならば、水着を着用しても衛生的な環境が保てる企業努力をすればいいように思われますが、こうした「配慮」や「対策」はほとんどの施設でなされていません。イスラム教に対する日本人の理解が、まだまだ不十分なこともあり、ムスリムの訴えはことごとく門前払いにされています。ここでも、急速な社会の多様化に、なかなか現実が追いついていないといえるでしょう。

これから日本は、いやがおうにも「内なる国際化」の時代を迎えることになります。日本で生活する、あるいは日本を訪れる外国人が増えていくのは必定の情勢です。そして、それは同質性の高い日本人が、今まで馴染みのなかった文化や宗教を受け入れる必要が生じることも意味します。今後は、外国人と相対するいかなる場面においても、これまで通りの前時代的な対応では通用しないケースがあることを、肝に銘じておかなければなりません。待ったなしの「内なる国際化」に対応するため、まずは日本人の「多様性を受け入れる」意識改革を早急に行っていく必要があるように思います。

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