神戸市が「娯楽型」介護施設を規制!介護に娯楽は必要?

 | 介護事業コンサルタント
松本 孝一

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神戸市が「娯楽型」介護施設を規制

神戸市が「娯楽型」介護施設を規制!介護に娯楽は必要?8月11日に神戸市が全国初のパチンコや麻雀、カジノなどを導入したアミューズメント型通所介護を条例で規制する方針を発表しましたが、この件についてさまざまな方面で賛否が分かれています。

神戸市が規制に踏み切った要因として、遊技場(パチンコや麻雀など)のような雰囲気の中で、遊技を機能訓練の常時主体とする通所介護(デイサービス)は介護保険法に基づく本来の趣旨に沿った適正なサービスとは考えられないとの背景によります。

現在、神戸市内の事業所では娯楽型とされる介護施設の存在は確認されていませんが、先行して対応を実施するようです。よって、神戸市において条例が規制されれば、定められた基準を満たさない限り指定を受けることができません。

これまでの通所介護(デイサービス)

これまでの通所介護では、確かに機能訓練と称してパチンコや麻雀などの遊技を導入している事業所も多く、介護保険サービスとして組み込まれています。また、このような機能訓練によって、さまざまな効果(認知症予防や引きこもり等)があることも確かです。

しかし、今回、規制対象となったアミューズメント型通所介護は「遊技を常時主体とした機能訓練の不適切」「疑似通貨などの使用が射幸心、依存性を著しく高める恐れ」「賭博又は風俗営業などを連想させる広告の危険性」などが規制の必要な理由とされています。

転換期を迎えている介護業界の課題の一つ

私自身も、通所介護の現場でサービスに従事していましたが、麻雀などを楽しみにしている高齢者がいる一方、批判する人もいるなど、利用者によって目的が異なります。しかし、アミューズメント型となると利用目的は遊技利用のみが対象となります。ある意味、個別ケアという観点からは差別化になるかもしれませんが…。

働く介護職員目線で考えてみると、介護職員は各種資格を取得し、介護現場において利用者の自立支援を目的とした介護サービスを実施するために職場を選んだはずです。そんな中、アミューズメント型通所介護に従事する職員は、本来の介護サービス以外のサービス提供が実施されることを望んでいるのでしょうか。

また、介護基本理念である「自己決定の尊重」「生活の継続」「自立支援(残存能力の活用)」に基づきながら、それぞれの利用者に対するケアプラン(介護サービス計画)で、そのサービスが必要であるか必要でないかを定めることができる介護支援専門員(ケアマネジャー)の考え方にも、大きく影響を及ぼすことになるのでしょう。この問題は、介護保険の施行から15年が経過し、介護保険法のみならずさまざまな視点からの転換期を迎えていることの課題の一つに違いありません。

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