半数近くが「マタハラ」を経験!出産・妊娠は会社にとってデメリット!?

 | 社会保険労務士
五井 淳子

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派遣社員の約半数、正社員の約2割がマタハラを経験

半数近くが「マタハラ」を経験!出産・妊娠は会社にとってデメリット !?厚生労働省が今年9月~10月にかけて行った初のマタハラ実態調査で、妊娠・出産した派遣社員の48%、正社員の21%が「マタハラ(マタニティ・ハラスメント)を経験したことがある」と回答したことが分かりました。

「NPO法人マタハラNet(http://www.mataharanet.org/)」の公式ブログには、「切迫流産で休むと無断欠勤扱いとされ、働くのは論外、だから独身男性を採用したかったなどと言われた」「同じ非正規で働く子育て経験者からの非難を発端に、管理職から退職勧奨ともとれる発言があった」など、生々しい告白が多数寄せられています。

男女雇用機会均等法は、「妊娠、出産等を理由に労働者に対し不利益な取り扱いをしてはならない」と定めていますが、現実には妊娠・出産した女性が不利益を受けずに働き続けることが厳しい状況だと分かります。マタハラが起こる原因はさまざまありますが、社員の妊娠・出産が会社にとって「デメリット」としか思えないことも理由の一つでしょう。

妊娠・出産をデメリットとして捉えられている

会社という組織は、利益を上げることを目的としています。出産・育児による休業や時短勤務により生産性が下がってしまう社員は、こうした組織には馴染まない存在とみなされます。また、復帰後も休業前と同じ仕事を任せられるのか、子育てとの両立は本当に可能なのかなど不透明な部分も多いため、長期的な展望での人員計画が立て辛く、そうした面もデメリットとして捉えられているのでしょう。(女性にだけ育児を押し付けていいのか、子育てと両立できないような職場環境に問題があるのではないか、といった疑問については、ここでは触れません)

また、本来、妊娠・出産は喜ばしい出来事のはずですが、諸手を挙げて祝福するには周りの人間に「余裕」が必要です。しかし、多くの会社では一人が長期休業してもすぐに代替要員を補充するのは難しく、同僚などにそれ相応の負担がかかってしまいます。妊娠は病気などと違って自分である程度コントロールできるものだけに、ただでさえ長時間労働などで疲弊していて余裕のない職場では、「この忙しいのに、なんであの人の都合で私たちにしわ寄せが」と不満が募る原因となり得ます。

周囲の負担感と互いの理解や想像力不足が原因

翻って、当の本人が「妊娠しているんだから、大事にされて当然」「子供が小さいんだから、早く帰って当然」と、いわゆる「妊婦様」になっていたとしたら、それこそ火に油でしょう。こうした周囲の負担感と、互いの理解や想像力の不足も「マタハラ」を生む原因なのではないでしょうか。

これら複数の要因が複合的に絡み合って起こるだけに、すぐにマタハラをなくすのは難しいのかもしれません。しかし、日ごろから妊娠・出産と女性の就労についての教育を行ったり、本人と周囲とのコミュニケーションを密にすることで、心無い言葉を投げつけるような行為はある程度防げるように思います。

国と企業が一丸となって制度を構築していく必要がある

そして、出産、育休を経て職場復帰した女性が継続して勤務することで、会社や社員が「メリット」を実感できれば、周囲の協力も得やすいのではないでしょうか。メリットとは例えば、税制面での優遇や負担を受け入れた社員に対する褒美(評価やボーナスに反映したり、社員の給与に反映させることを条件とした助成金の支給など)などが考えられます。

「マタハラ」がこれだけ大きな社会問題となっている今、職場の善意や個人の努力だけでは、その防止は困難と言わざるを得ません。国と企業が一丸となって、女性が安心して子供を産み育てながら働ける制度を構築していく必要があります。

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