LGBTに潜む法的課題と現実

 | 弁護士
河野 晃

この記事を読むのに必要な時間の目安: 約 1 分

本当にLGBTに対しての理解が進んでいるのか

劣悪な環境下に置かれる外国人技能実習生の厳しい現実大手企業であるパナソニックが今年の4月から、LGBT(いわゆる「レズビアン」、「ゲイ」、「バイセクシャル」、「トランスジェンダー」の頭文字。)といった性的少数者を差別しない姿勢を示すため、同性カップルに対し結婚に相当する関係と認める方針を固めたようです。また、スポーツ用品大手のナイキ社が、マニー・パッキャオ選手が同性愛のカップルに対して暴言を吐いたことを受けて同選手との契約を打ち切ったそうです。昨年、渋谷区や世田谷区が同性カップルに結婚に相当する証明書を発行したり、携帯電話の各社が同性パートナーに家族割引などのサービスを提供することにしたりと、世間の風潮的にも性的少数者に対して肯定的な空気が出来つつあるように感じます。
 一方で、昨年秋には海老名市の市議会議員が同性愛者に対する侮辱的なツイートを行ったというニュースも記憶に新しいところです。残念なことに、市議会議員という公人がこういった発言を行うくらいですから、日本では性的少数者に対する差別的な見方が無くなっていない、少なくとも好奇な目で見られているケースがあるというのが現実と言えるかもしれません。

LGBTに潜む法的問題

性的少数者に対して、そのことのみを理由として差別的な取り扱いを行うと、違法と評価される可能性は高いといえます。そうであるにもかかわらず、性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律(いわゆる「性同一性障害特例法」。性同一性障害者につき戸籍上その他法的に性別を変更することができる法律。)を除き、未だ性的少数者を対象とした法律は日本には有りません。昨今の肯定的な風潮を受けて、国会でも超党派の議員たちによって、LBGTなど性的少数者にまつわる法的課題を議論する部会が発足したようです。近い将来、性的少数者の差別を明示的に禁止した法律や権利保護を目的とした法律が成立する可能性は十分にあると思います。こうした法律が出来ることは、性的少数者に対する保護的な意味はもちろんのこと、国民の意識という意味でも大きな変革といえると思います。

LGBTを一人ひとりが考えるのが大切

ただ、そういった法的な解決ももちろん重要なのですが、それだけに頼るのではなく、教育や各企業の施策など多方面から差別撲滅に向けた動きが活発になると、より良い方向に流れると思います。
例えば手始めに、皆さんが性的少数者だったらと仮定して、どういった社会を望むか一度考えてみてはいかがでしょうか。こういった小さなことが、差別撲滅の第一歩になると思います。

専門家に詳しい記事を書いてほしい悩みや困りごとはありませんか?

JIJICO編集部では、悩みを抱える読者の皆さまと、それを解決することができる専門家をつなぎ合わせ、世の中から「困った!」を無くしていくサポート役を担って参りたいと思っています。

いま、皆さまご自身や、皆さまの身近な人たちが抱えている「解決したい悩み・問題」について、ぜひ編集部に声をお寄せください。

「こんなことについて詳しく知りたいんだけど誰に聞いたら良いか分からない」
「こんな問題で困っているけど、詳しく書いてある情報がなかなか見つけられない」

このような皆さまのご意見を集約し、最適な専門家を選んで、そのテーマについて詳しくふれる記事を作成していきます。JIJICOの記事を通して、読者の皆さまの問題解決のお伝いができれば幸いです。

今、気になるニュースを専門家が解説!メールアドレスを入力するだけで毎朝届きます。

Facebookコメント

PageTop