存在を自ら否定するのか大阪市教育委員会

 | 進学塾塾長
栢原 義則

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大阪市教育委員会が教員採用試験を筆記試験重視に

23017dcc6d022eb539aad69a9933d766_m大阪市教育委員会は、今年実施する市立学校の教員採用試験から、面接と筆記を半々で評価していたこれまでの方法を、筆記試験の得点を重視する方法に見直すと発表しました。

教員の採用に関して、文科省が掲げている「人物評価を重視する方向に移行させる」という方針とは明らかに逆行しており、また、昨今の学校現場では、指導上の問題や個人的な問題を起こす教師が増えており、教員の資質が問われる事件も増加しているなか、人物評価より知識力の評価に重点を置くのはいかがなものでしょうか?

筆記試験と教科指導力に相関関係はない

大阪市教委は「学力向上のために、教科指導力の高い人材確保が必要と判断した」としています。大阪市は全国学力テストの平均正答率が全国平均を大きく下回っており、学力向上が急務であるとする市教委の考えも分からないではありません。
しかし、筆記試験の点数と教科指導力が相関関係にあるとは考えにくいです。

「知識力=人間力」の関係が成り立たない事は明白な事実です。教師の学力が高いことは知識を教える能力が高いということは言えるかもしれません。しかし、現場で子ども達に教科を指導する能力があるとは限りません。

学力テストの点数をあげるための施策では本末転倒

市教委が筆記テストで点数の高い者を採用すれば子どもの学力を向上させることが出来ると考えているならば、いかにも短絡的と言わざるを得ません。そもそも学力とは「学習する為に必要な力」であり「点数を取る為に必要な力」ではないのですから。

学力を向上させることは子ども達の学習する能力を向上させることです。
学力テストの点数を上げるために教科指導力の高い人材を必要とすると考えているのなら本末転倒と言われても仕方ありません。
子ども達の学力向上が急務であれば、違った方法はいくらでもあります。

卑近な例で言うと、沖縄県は学力テストの結果が最下位に近くなった翌年、先生方を成績優秀県に派遣し、指導実態を研修することで教師力をUPさせ、見事に全国27位まで学力を向上させています。
ちなみに大阪府は成績優秀県を視察したのだが、教育委員会主導の研修であったため未だに底辺から脱出していないのが現状です。

大阪市教育委員会は猛省すべし

学校現場で必要とされる人材は、子ども達と目線を合わせて指導できる人間力を持った教師です。
学歴が高く知識は豊富だが子どもの心が分からない頭でっかちな先生ではありません。
優秀な人材を確保したいのなら、まず、教育現場を魅力のある職場にしない限り優秀な人材が集まるわけがありません。

大阪市教育委員会は、存在そのものが疑問視されている現実を御存じないのでしょうか?
今回の発表は市教委には人物評価する能力がないと認めたようなものではないでしょうか。
敢えて言えば、市教委の存在そのものを自ら否定したようなものではないのでしょうか。

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