マンション通路でガーデニング 規約にないからOK?

 | 弁護士
木野 達夫

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マンション通路でガーデニング 規約にないから問題ない?

若者が隠れ蓑にする退職理由の真相アパートの上階に引っ越してきた女性が、ベランダや通路部分に、観葉植物の鉢植えをたくさん置いたことから騒動は始まりました。いつの間にか通路はジャングル状態に。

管理会社から注意してもらっても改善されず、階下の住民が直接苦情を入れたのですが、「ペット禁止は規約にあるけど。観葉植物禁止なんて書いてない! 通路に物を置いてるのは他の人もやっている! ベランダから水? それはうちじゃない!」と言い出す始末。
このようなケース、規約になければOKということになるのか、解説いたします。

共同の利益に反する、と撤去を求めることは可能

分譲マンションについての規律は「建物の区分所有等に関する法律」(いわゆる区分所有法)が定めてあります。
同法6条1項によれば,「区分所有者は,(中略)共同の利益に反する行為をしてはならない。」と規定されています。
マンションの通路は共用部分ですから,通路を独占的に使用したり危険物を置いたりすることは「共同の利益に反する行為」に該当します。

ガーデニングが「ジャングル」のような状態になっているのであれば,「共同の利益に反する行為」に該当するといえるでしょう。
区分所有者が「共同の利益に反する行為」を行った場合,他の区分所有者や管理組合は,違反行為の停止や違反状態の除去を請求できます。

本件に関して言えば,違反者に対して植物の撤去を請求できます。
ですから,まずは,(個人的でもいいのですが,できれば)管理組合の理事会で撤去勧告を行う旨の決議を取り,違反者に対して植物の撤去を請求するべきです。
繰り返し撤去を請求しても違反者が撤去を行わない場合には,程度により,訴訟を提起して,違反者の専有部分の使用禁止や違反者の区分所有権の競売を請求できます(同法58条,59条)。

強制的に撤去するのは現実的に困難なことが多い

ただし,専有部分の使用禁止や区分所有権の競売を請求するためには,「共同生活上の障害が著しく」「共同生活の維持を図ることが困難」であることが必要です。
また,使用禁止や競売を請求するには区分所有者の集会の決議が必要であり,この場合の集会の決議は「区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数」でなされる必要があります(同58条2項)。

これまでの裁判例で,「共同生活の維持を図ることが困難」と判断され使用禁止や競売が認められたケースは少なく,訴訟で植物の撤去を認めてもらうにはハードルが高く現実的ではないように思われます。

管理規約に違約金などを定める規定を入れるなどの対策が必要

そのため,やはり管理規約や使用細則に禁止事項として規定しておくことが好ましいといえます。
管理規約に規定する場合は違約金についても定めておくといいでしょう。
違約金を定めておくと違反者に対してプレッシャーをかけることができますし,違反者が違約金を払わない場合は訴訟を提起して違約金を請求することもできます(管理規約に違約金の定めがあれば,「共同生活の維持を図ることが困難」と認定されなくても違約金を請求できますので効果的です。)。

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