貧困による学習格差を解消するためにすべきこと

 | 次世代教育プランナー
田中 正徳

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貧困からくる大きな損失

先進国で教育水準が高いとされる日本で、たびたびメディアを賑わす「6人に1人」という言葉。
叫ばれて久しい貧困家庭の子供の割合です。
日本の標準的な世帯年収(529万円)の半分以下で暮らしていることになります。

特にひとり親世帯では子どもが貧困に直面する割合が5割。そのほとんどが母子家庭で年収100~150万円程度で生活しています。
衣食住だけに追われ、塾や習い事に割く余裕はありません。

主な原因として考えられるのが、伸び悩む経済成長からくる子育て世代の所得の減少です。
そして、そのような現実に直面している働く母親の多くが非正規雇用です。
さらに、その増加に伴うかたちで子どもの貧困率を押し上げているのです。

貧困によって子どもの将来の可能性が限られてくるだけでなく、将来年金が払えないため、社会保障費までかさむとなると、社会にとって何重もの損失になってしまいます。

貧困による学習格差の解消を

本腰を入れてすぐにでも取り組む必要があるのが、貧困からくる学習格差をなくしていくことです。
統計データからも明白なように、近代では受けてきた教育のレベルと生涯賃金は比例しています。
義務教育期間中の児童生徒は、最低限の基礎学習をしっかりと身に着ける必要があります。

ところが貧困ゆえに塾にも通えず、基礎学力が身についていない子どもが沢山いる事実は否定できません。
遅れた学力を取り戻すための個別指導や家庭教師など人件費の高い塾で学ぶのは事実上難しいかもしれません。
一刻も早く手を打つべきです。さらに基礎学習以外にも、子どもを育てるには情操教育が必要です。

最近では国と自治体の協力で、学習支援、生活支援、経済的支援などの施策が策定され、実施することが法律で義務づけられています。
生活の援助、就学や就労に向けての学資の援助が行われています。

子どもの教育には十分なお金をかけなければ、学習そのものや進学に影響します。
そのため社会に出ても有利な職に就くことができないまま、「貧困の連鎖」につながってしまいます。

だからこそ、社会全体で取り組む必要があるのです。
そして社会のために働くことを生きがいに見いだす若者を育てなければ、日本の未来はありません。
社会が決して見捨てないという姿勢も重要なことなのです。

時代にふさわしい学習方法の提案

ここで教育支援の一つとして、まずICT活用の促進を提言します。
実際に、ICT活用を検討する地域には、技術的なノウハウを持っている「地域情報化アドバイザー」や「ICT地域マネージャー」の派遣などが行われています。

そうした技術を活かして合理的に学習格差の解消を行っていくことが望まれます。
具体的には一斉指導ではなく、人件費をかけずに個別対応できるパソコンを利用したデジタル教材を導入すること。
民間の教育機関にもコンテンツは豊富にあります。

官民が一体となることで、まず学力低下に起因する「貧困の連鎖」を断ち切る、時代にふさわしいICTの活用で平等に教育を受けられるよう整備すること。
時代にふさわしい学習方法を利用することで、貧困からくる学習格差は変えられるはずです。

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