マタハラの実態はどうなのか?どう改善していけば良いのか?

 | 社会保険労務士
篠原 丈司

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マタハラにはいくつかの類型がある

マタニティハラスメント、いわゆるマタハラは、女性が妊娠・出産・育児などをきっかけに職場で精神的・肉体的な嫌がらせを受けたり、解雇や雇い止め、退職勧奨など不当な扱いを受けることです。

マタハラは「セクハラ(セクシャルハラスメント)」、「パワハラ(パワーハラスメント)」とともに、職場の、特に女性を悩ませる3大ハラスメントの1つとされています。

このマタハラに対処するための情報を提供し、解決を後押しすることを目的として設立されたマタハラNetでは、マタハラを4つの類型に分類しています。

① 家庭を優先すべきという「昭和の価値観押しつけ型」
② 当事者を攻撃する「いじめ型」
③ 組織として、長時間労働を強いる等の「パワハラ型」
④ 組織として当事者を排除する等の「追い出し型」

一方でパタハラも問題です。
育児に積極的な男性社員への理解の欠如から、嫌がらせや差別的発言をすることを「パタニティ(=父性)ハラスメント」」を通称「パタハラ」と言います。
 
マタハラ、パタハラに限らず、ここまではパワハラ、ここからはセクハラという区分けに意味はありませんが、特に精神疾患など深刻な状況につながりやすい「いじめ型」の対策に焦点を当てて考えていきたいと思います。

精神疾患など深刻な状況につながるいじめ型マタハラ

以前、ハラスメントを主題としたドラマが放映されました。
いわゆるイクメンの社員が、育児休業を取得する場面で、一斉に不満を漏らしたのは女性を含む周囲の同僚でした。

「育児休業は確かに法律で規定されているし、権利というのはわかるけど、その仕事をフォローする私たちに何の感謝の言葉も無い。」
このような趣旨の会話だったと記憶しています。

結局、誰かにしわ寄せがいくわけです。誰かが、無理をしてカバーしなければならない状況の中で、その誰かには焦点は当たりません。
その怒りの矛先が本人に向けられる時に「いじめ型」ハラスメントへと発展していきます。

これを防ぐキーワードは「感謝を伝える仕組作り」
フォローする従業員に対して、2つの視点で取り組むと効果的です。

感謝を伝える仕組みづくりでいじめ型ハラスメントを防ぐ

① 従業員同士
ある会社では、「ありがとうボード」という掲示板を作り、長期休暇を取得した従業員が、感謝の手紙を書いて貼るようにしています。
出産に立ち会った男性社員が配偶者と赤ちゃんとの写真を貼り、「こんなに幸せな出産に立ち会えることが出来ました。
ありがとうございました。」というメッセージを見た同僚は、確かに大変だったけど、一緒に働く従業員の役に立てた、という意識が芽生えます。
一人一人に挨拶するのは難しい人数の多い会社でも、これなら気持ちを伝えられます。

② 会社から
会社からは、「育児休業等を取得した労働者の業務を」フォローしてくれたことに対する気持ちの対価として、期間限定で手当を支給すると効果的です。
これは金額の問題ではなく、その頑張りを認めているということを形に残すということです。
 
 「男は仕事、女は家庭」という性別役割分担意識は、いまだに根強く、現に「うちの会社の伝統として、妊娠した女性は自主退社するようになっている。」こんな時代に逆行した発言をする経営者がいるのも事実です。

しかし、全ての従業員を大切にするという考えの経営トップに、人が集まるのは間違いありません。

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