急増する女性のアルコール依存症

 | 心理カウンセラー
飯塚 和美

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急増するアルコール依存症の女性患者

近年、アルコール依存症の女性患者が急増していると言われています。
厚生労働省の調査に基づく推計で、アルコール依存症の女性患者は03年の8万人から13年では14万人へと急増したと言われます。
増加の背景には、女性の社会進出で飲酒の機会が増えたほか、おしゃれなお酒のデザイン、素敵な女性の飲酒風景がCMやドラマ、記事などにあふれ、その影響で飲酒する女性が増えたと考えられています。

飲酒自体は、適量であればストレス解消も出来、お酒でのスムーズなコミュニケーションとメリットも多いものですが、女性の場合は男性よりもリスクが高い事を知っておく必要があります。

男性に比べ女性がアルコール依存症になりやすいワケ

男性に比べ、女性は肝臓が比較的小さく脂肪も多いので、水より油に溶けにくいアルコールは体内に浸透しにくく、血中のアルコール濃度も上がりやすくなります。
そのため急性アルコール中毒にもなりやすいのです。
習慣的な飲酒で肝硬変やアルコール依存症は男性の半分の期間でなってしまいます。

飲酒は、喪失感や不安感がきっかけで過剰摂取が日常化してしまうことが多いというデータもあるそうです。
特に女性は、妊娠中や授乳期にお酒を飲んでしまうと、胎児、乳児の脳や体の発育に影響を及ぼす危険性があります。
妊娠中は胎盤を通して胎児に、授乳期は母乳を通して乳児にアルコールが運ばれ、発達に大きな影響を及ぼす可能性もあります。

アルコール依存症のサイン

お酒は身近な飲み物ですので、家族もたいしたことがないと見過ごしてしまう事も多く、アルコール依存症に気付くのが遅れてしまうケースも少なくないそうです。
依存症を防ぐためには、毎日の習慣的な飲酒は避け(物足りないかもしれませんが、出来ればコップ1杯程度にとどめましょう)、良質な睡眠をとるために就寝の2~3時間前にはお酒をやめて、楽しい健康的な飲み方を心がけましょう。

毎日の飲酒の習慣がなく、普段はまったく飲まなくても飲みだすと止まらなくなって、限界まで飲んでしまう方も注意が必要です。
危険なサインとしては
・お酒が家に無いと不安になって「お酒が無くてもまあいいか」と思えなくなり夜中でも買に行ってしまう。
・飲んだ翌朝、文字がうまく書けない。
・暑くもないのにやたらと寝汗をかく。
・睡眠中たびたび目が覚める。
・イライラして怒りっぽい。
・飲まないと眠れない、あるいは飲んで寝ると悪夢を見る。

どのような人がアルコール依存症になりやすいのか?

アルコール依存症は、自分では自覚しにくく「心の原因」が考えられることも多いそうです。
アルコール依存症になると飲酒を抑制する脳の機能、前頭葉が委縮し、自らの努力で辞められなくなります。
そのため意志の強かった人でもコントロールすることが難しくなります。
アルコールの多量摂取などによる健康障害が虐待や暴力、自殺などの社会問題に密接に関わりがあるとも指摘されています。

国が飲酒による健康被害を減らすために治療体制の充実や達成時期を明確にした基本計画を作ることを柱にした「アルコール健康障害対策基本法」を成立していますが、まだまだ充実しているとは言いづらく、女性に限定した自助グループも少ないのが現状です。
遺伝の影響も大きいとされるので、親や祖父母などに疑いがあった場合は特に注意が必要とされます。
会社でも責任感が強く完璧主義の人や、家庭に閉じこもりがちで、話し相手が居ない寂しさをお酒で埋める人も要注意です。

アルコール依存症は自分では自覚しにくいものです。
悩みやストレスの解消策をアルコールだけにするのではなく、心当たりがあれば専門家へまず相談してください。
依存症を防ぐには早期発見が第一です。
病院に行くのが恥ずかしいと思わずに「治療すれば治る病気」であることを理解して、躊躇せずに医療機関に行く勇気を持ちましょう。

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