シェアリングエコノミーの課題と普及に向けて

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金子 清隆

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拡大するシェアリングエコノミー

現在、シェアリングエコノミーと呼ばれるサービスがグローバルレベルで広がっています。
シェアリングエコノミーとは個人等が保有する有形・無形の遊休資産の貸出しを仲介するサービスです。
自宅の空き部屋等を宿泊したい人に提供する「Airbnb」、一般のドライバーと移動したい人をマッチングするライドシェアの「Uber」、不特定多数の人々から資金調達を募るクラウドファンディングの「Kickstarter」など、様々な分野でサービスが提供されています。

シェアリングエコノミーの考え方は古くから存在していましたが、資産の貸し借りは信頼関係が前提であるため、従来は地域コミュニティでしか成り立ちませんでした。
しかし、ITの進化に伴い環境が一変しました。
多くの人々がスマートフォンを持つことで人々は常にオンライン状態となっています。
こうした人々がソーシャルメディア(SNS)に参加することで、見知らぬ個人同士が容易に繫がるようになりました。
インターネット上の決済システムが構築されたこともあり、貸主と借主とがリアルタイムで繋がる現在のシェアリングエコノミーが成立するようになりました。

シェアリングエコノミーの期待効果

シェアリングエコノミーを活用することで幾つかの効果が期待されています。
個人等が保有する遊休資産の稼働率を高めることは、社会全体の資産の供給量向上につながります。
利用者にとっては直接取引で中間マージンが抑えられ、低料金でサービス利用が可能です。

また、シェアリングエコノミーはライフスタイルで大きな変革を促します。
物理的な資産は常時「所有」するモノから必要な時に「利用」するサービスに変わり、資産所有に伴う維持管理コストもかかりません。
サービス提供者はスキマ時間をうまく使う、独自の働き方をするなど、多様なワークスタイルも実現可能です。
その結果、現在提供されているものとは異なる新たな需要が創出され、新ビジネスにつながる可能性もあります。

シェアリングエコノミーは地方創生も期待されています。
地域の様々な遊休資産の活用を通じて地域の課題解決や雇用創出等の効果が期待されます。

普及に向けた課題と対応の方向性

シェアリングエコノミーの普及に向けては課題もあり、官民が協力して対処することが必要です。
まず、規制緩和や新たなルール策定が必要です。
既存の法制度の多くは企業が個人にサービスを提供するBtoCモデルに基づくため、個人間の直接取引であるCtoCモデルのシェアリングエコノミーとは馴染まない部分もあります。
既存の業界を守ることも必要ですが、シェアリングエコノミーと棲み分けができるような規制緩和や適用除外の必要があります。

また、利用者が安心してサービスを享受するため、サービス提供者の信頼性確保が必要です。
総務省の意識調査によると、消費者の多くはシェアリングサービスの利用に消極的で、その最大の理由は事故やトラブル時の対応への不安でした。
サービス提供者の本人確認や評価等の仕組の整備が求められます。
現在でもFacebookなど実名制SNSを活用した認証を行うケースもありますが、公的身分証による本人確認や届出制度を検討する必要もあります。
シェアリングサービスの提供に伴う周辺への不利益も問題となっています。
例えば、民泊の宿泊客による近所への騒音被害やマナーの悪さにより周辺の住民が迷惑を被るような問題が頻発しています。
当事者の努力はもちろんですが、必要に応じて規制等のルール策定も必要でしょう。

シェアリングエコノミーは資産を共有することで社会全体の効率性を追求するので、これまでの利潤追求型ビジネスとは相容れない部分もあります。
一方で、シェアリングビジネスによってSNS等によるバーチャルな繋がりからリアルな繫がりとなり、人々の心理的な欲求が満たされるという報告もあります。
シェアリングエコノミーによって金銭的価値とは異なる豊かさを獲得することも可能だと考えられます。

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