自己負担増が避けられない医療費 どのような準備が必要か? 

 | ファイナンシャルプランナー/診療放射線技師
内田 茂樹

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30年足らずで倍増した医療費

2015年度の医療費が41.5兆円に上り、前年度と比べて3.8%上回り1.5兆円増となりました。
1989年度では約20兆円でしたので、30年足らずで医療費が倍にあったことを意味しています。
さらに現在も医療費は増加傾向を示しており、今後も増加を免れない状態です。

医療の発展が医療費の増加に拍車をかける結果に

高齢化が進み、高齢者が病院にかかる機会が増えることで、医療費は増加していきます。
しかし、一番の理由としては医療の発展が原因だと言われています。

抗がん剤を例に考えていきましょう。
近年の抗がん剤の特徴が二点あります。
・対象患者が限られている
・開発費がかかり、特許期間が短縮化している
以上の二点によって抗がん剤の価格は高騰しています。
最近ではオプジーボという免疫療法を使った抗がん剤が年間3500万円かかり、5万人の患者がこの薬を使うと年間1.8兆円医療費が増加すると試算されています。

医療費は今後も自己負担が増える傾向に

そんな中、11月28日に2017年度より行われる公的医療保険制度の見直し案が発表されました。
75歳以上が支払う公的医療保険の保険料を軽減している特例を来年度から一部廃止するというものです。
特例廃止の対象は300万人以上に及ぶとされています。
さらに現役並み所得世帯(年収370万円~)の高額療養費の上限額も69歳以下と同じに設定とし、年収370万円未満の所得の人に対しても段階的に上限額を引き上げると発表しました。
こちらに関しても1200万人以上が対象となる見込みです。
これら一連の流れは急増する医療費の伸びを1000億円規模抑制することを目的として行われています。

実際に家計レベルではどう影響してくるのか見ていきましょう。
年金収入が153~211万円の所得では毎月2000円程度負担が増え、75歳時点で被扶養者(会社員など)であった場合、1500円程度負担が増えます。
さらに高額療養費の上限額があがった場合は深刻な影響が考えられます。
今まで上限金の倍近くにまで増えてしまう人も出てきます。

実はこうした制度の変更はたびたび見られています。
昨年2015年8月に介護保険の負担率が1割から2割に引き上げられたことは記憶に新しいです。
単純にかかる費用が倍になるわけですから家計におよぼす影響は大いにあります。

増え続ける医療費に対しどのように備えれば良いか?

残念ながら公助が今よりよくなる可能性は極めて低いと考えられます。
政府はNISAや確定拠出年金、アベノミクスなどでも投資を積極的に推奨し、「自分の老後は自分でなんとかしてね」と布石を打ってきています。

公助が期待できない今、行うべきは不要な支出を減らし、安定した投資先を見つけることが必須となります。
銀行や保険に預けているだけでは将来下流老人になることが目に見えています。
将来、かかる医療を考慮した適切なライフプランニングが必要となってきています。

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