非正規雇用者にも賞与の支払い義務 同一労働同一賃金への第一歩となるか

 | 社会保険労務士
影山 正伸

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非正規雇用者にも賞与の支払い義務が発生

報道によりますと、政府の「働き方改革実現会議」で、同一労働同一賃金のガイドライン案を作成中ですが、その中で非正規に対して「業績などへの貢献に応じた部分は同一の賞与を支給しなければならない」と明示し、非正規にも賞与の支払を求める内容となっています。

非正規と正規の賃金格差は縮まることになるのか?

具体的に言うと社員に対して例えば基本給の1ヵ月分の賞与を支給するとなった場合、今まではパートさんなどには一切払っていなかった事業所でも、貢献度が同じであれば同じ1か月分は払わなければなりません。
また、社員とパートでは、業績に対する貢献度の違いが普通はありますから、そうであれば同じ1ヵ月を払わなければならない訳ではありませんが、貢献度に応じた分は支払わなければならなくなるということです。
つまり、社員の貢献度を100%とした場合、パートさんも会社の業績に対する貢献度は0%ということはあり得ないわけで、例えばパートさんも50%は貢献しているとしたら、パートさんが1ヵ月80,000円を稼いでいるのであれば、社員に1ヵ月分支給されるとして、同じく1ヵ月分(80,000円)×50%(貢献度)=40,000円は支払わなければならなくなるということです。

これは、パートさんに取ってみれば収入の増加につながりますが、事業所にとっては大きな負担となってきます。
政府としては、非正規雇用者の底上げを図るため賃金格差を是正させたいという思惑です。
ただし、事業所にとって賞与の原資が決まってしまっていて、パートにも賞与を払うとなれば、社員の賞与を減額しなければならなくなるかもしれません。
そうなると非正規の賃金は増えるが、正規雇用の賃金が減って、全体としては賃金は結局変わらない、ということにもなりかねない懸念もあります。
果たして政府の思惑通り進むでしょうか。

来年の法改正とともに同一労働同一賃金の定義が見えてくる

今回の最終的なガイドラインとともに、労働契約法、パートタイム労働法、労働者派遣法の改正が予定されていますが、それらにより、日本においての同一労働同一賃金の定義が見えてくるでしょう。
賞与以外にも基本給、各種手当、福利厚生、教育などもどのような場合に、正規と非正規に違いがあって良いのか等が出てきます。
政府の思惑に非正規労働者の底上げを図る目的があり、最低賃金についても1,000円に向けて上がってきますので、事業所にとっては、人件費の増加が避けられない状況になりそうです。
今後は、それらを踏まえて事業計画を立てる必要があります。

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