解雇規制の緩和は必要か?

 | 社会保険労務士
影山 正伸

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解雇しにくい日本 解雇規制の緩和は必要か?

最近マスコミの報道などによりますと解雇規制の緩和(金銭で解雇を合法化すること)を行った方がかえって雇用の流動化が図れるなどの論調が増えてきているようです。
果たしてどうなのでしょうか?

日本には、そもそも金銭で労働者を解雇して良い、という法律はありません。
あくまで民事上の裁判での判例によって判断していくしかありません。
ただし、人員削減をしない限り赤字が続いてしまう等余程の合理的理由が無い限り解雇は出来ません。
なぜ裁判での判例がそうなるかというと、日本の正社員の就職が一般的に職種や勤務地などを限定しておらず、ジョブをローテーションして転勤を受け入れ、その代わりに最後まで雇用が保証される(終身雇用)ため、一部の事業が赤字になって廃止されてもジョブをローテーションして違う仕事をさせるべきだし、事業所が廃止されても転勤して雇用を維持すべき、と判断されるからです。

そのためバブル崩壊後、日本企業は、正社員よりも解雇が容易な非正規雇用を増やしていきました。
期間に定めがあったり、職種が限定されたりしていることで、期間が満了したり、その仕事そのものが無くなったりすれば、正社員よりは解雇が容易なためです。

時代の変化もあり正社員の解雇規制緩和への要請

経済のグローバル化、ITの推進等により、今まであった仕事が急に無くなってしまうことも多々出てきました。
また、今後はAIの発達により、安泰であったホワイトカラーもなくなる仕事が多々出てくると言われています。
もちろん、無くなる仕事もあれば新たな仕事も出てくるでしょう。

そんな中、衰退産業にいつまでも正社員を解雇できないがために抱え込んでいるとすれば、企業にとってもリスクであるし、新たな産業へ人材が移動する方が経済にとってもプラスであって、冒頭の解雇規制緩和による雇用流動化への論調が増えてきました。

解雇規制緩和の法律を作るのは可能か?

自民党の小泉進次郎農林部会長がトップの「2020年以降の経済財政構想小委員会」で解雇自由化法案が提案されています。
勤続年数に応じた解雇補償金を法律で定めていくことになると思われますが、まだ提案ですから実際には法律ができるとしても先になるでしょう。

ドイツなどでは最長12か月分の給与で解雇できるようですが、日本の場合、大企業はそれでも良いでしょうが、中小零細企業では1年分の給与となると逆に重すぎて解雇したくてもできなくなってしまう可能性もあります。
ただ、金額が少なすぎれば労働者保護に欠けることにもなりますので、さじ加減が難しいところです。

それと金銭で解雇できると言っても、年功的な賃金だと転職する際に給与が減額になってしまうことも多く、また転職市場も充実していないと、やはり転職時に不利になってしまいます。
そうならないように年功的な賃金、終身雇用制度など、抜本的な改革も求められます。

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