遺贈寄付(レガシーギフト)~想いを叶えるためにやっておきたいこと~

 | 司法書士
山口 里美

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遺産を寄付することへの関心が高まっている

野村資本市場研究所の推計によると、国内で相続される資産総額は年間50兆円強あるものの、遺言も相続人もないことから最終的に国庫に入ってしまう財産は、年間400億円にのぼります。

そんな中、遺産を寄付したいという、「遺贈寄付(レガシーギフト)」への関心が高まっています。
遺贈寄付(レガシーギフト)」を望まれる方は、おひとりさまの方、お子様がいないご夫婦、社会貢献に役立てたい方などが多く、今後も希望者が増えると予想されます。
実際に「遺贈寄付(レガシーギフト)」を利用するにはどうしたらいいのか、そのポイントと注意点を考えます。

遺贈寄付をするためにしておくべきこと

遺産を寄付するために、まずやっておきたいことは、情報収集です。
昨年、NPOや法律の専門家などが集まって、「遺贈寄付(レガシーギフト)」の普及に向けた「全国レガシーギフト協会」という団体が設立されました。
同協会は、「いぞう寄付の窓口」というインターネット上のサイトを立ち上げ、「遺贈寄付(レガシーギフト)」に関する情報発信をしています。ご自身の想いに合った遺贈をするために、あらかじめ情報収集をしておきましょう。

遺産を寄付するために、次にやっておきたいのは、遺言書の作成です。
遺言書は主に、ご自身で書く「自筆証書遺言書」と、公証役場で公証人という法律のプロが作成する「公正証書遺言書」の2つがあります。

「自筆証書遺言書」には、お金がかからない、すぐに作成できる、といったメリットがありますが、全部自分で書かなければならない、遺産の寄付を実行する前には、「自筆証書遺言書」の内容を確定させる裁判上の手続、「検認」をしなければならないなどの厳格なルールがあり、形式不備などがない有効なものを作成するにはハードルが高いと言えます。

「自分の財産を確実に、かつ余計な手間がかからないように、寄付したい」その想いをかなえるためには、「公正証書遺言書」を作成することをおすすめします。
「公正証書遺言書」の作成は、遺言者の口述により公証人が作成し、公文書として保管できることから、紛失や偽造などの心配はありません。
また、「自筆証書遺言書」と異なり「検認」を受ける必要もありません。
安心で確実な遺言書を作成するには、おひとりで悩まれずに、遺言書などの法律文書を取り扱う司法書士、弁護士などの法律の専門家に相談しながら作成するようにしましょう。
また、遺産を寄付するにあたって、相続税などの税務上の取り扱いにも注意しなればならないので、税理士などの専門家にも相談しましょう。

遺贈寄付のことを遺言執行者に伝えることが大切

遺産を寄付するために、最後にやっておきたいのは、「遺贈寄付(レガシーギフト)」のことを、ご家族や遺言の内容を実現する「遺言執行者」となる方に伝えておくことです。
「遺産を寄付したい」という内容の遺言書を作成しただけでは、想いを叶えることはできません。
将来的に相続人となる方や、「遺言執行者」となる方にその想いを伝えておかなければ、実際に社会貢献に取り組む団体などに遺産を寄付してもらうことができません。

また、「「遺贈寄付(レガシーギフト)」のことを話したいとは思うけど、直接口に出していうのはむずかしい」などの場合は、エンディングノートや手紙などにご自身の想いを記しておくことも一つの方法ではないでしょうか。
遺言書を作成し、ご自身の想いを伝えること…それが真に円満な「想族」の実現につながります。
遺産を寄付することで、社会貢献したいというお気持ちを持つのは、とても素晴らしいことです。
いろいろな団体や専門家の力を借りて、ご自身の想いを叶える「遺贈寄付(レガシーギフト)」を実現しましょう。

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