日本の移民問題 不法残留外国人にどのように対応していけば良いか?

 | 行政書士
折本 徹

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技能実習制度来日し失踪した外国人が過去最高に

新聞の報道によると、働きながら技術を学ぶ「技能実習制度」で来日した外国人の失踪が昨年5,800人を超え、過去最多に上ったということです。
平成23年からの5年間では計1万人超も失踪しています。
多くが不法滞在となっているとみられ、国内の治安にも影響を与えかねないことから、捜査当局は警戒を強めているとのことです。

技能実習生の失踪問題については、法務省入国管理局も把握しており、「在留資格の取消し」の法改正で次のような措置をとることを盛り込んでいます。
・(決められた)活動を行っておらず、かつ、他の活動を行い又は行おうとし在留している場合は在留資格の取消しの対象となること。
・更に、上記のケースで、逃亡のおそれがあるときは、直ちに退去強制手続きに移行することができる。

不法残留者についてですが、平成5年5月1日現在で約30万人となって以降、平成26年1月1日までで約6万人にまで減少しましたが、法務省が発表した、平成27年の各種統計をみてみると、不法残留者数は、62,818人と、2年連続で増加しているとのことです。

厳しい条件の就労の在留資格

主な就労の在留資格である「技術・人文知識・国際業務」は、大学を卒業、又は、一定期間の仕事の実務経験を持つ外国人が得ることができ、ここ数年は、更に、そのなかから、高度人材の外国人を優遇しようという、傾向がみられます。
一方で、日本の場合、大企業と比較して中小零細企業が圧倒的に多く、中小零細企業で働く人たちの数は大企業で働く人たちよりも多い、という現実があります。
そのような中で、中小零細企業に高度人材外国人の需要があるのか、あったとして使いこなすことが出来るのかなどの問題があると思います。
必ずしも高度人材までのレベルではなくても、創意工夫をしながら仕事ができる人材が、必要だと思いますし、今後の業務発展を考えている中小零細企業の経営者は、上記のような人材、仕事ともに成長していく人材を欲している可能性があります。

在留資格に対してのより良いあり方は?

ですので、専門的な知識や技能を持っていなくても、与えられた職務を遂行していけば、成長していくことができると思われる外国人に対しては、働ける道を開いたらどうか、と思います。
現在、国家戦略特区で、技能検定試験制度をもうけたらどうか?という案がでているそうですが、素養のある外国人に対して、人手不足と言われている仕事に対応できる検定試験を外国人向けに創設し、既にある日本語能力試験と合わせて、その合格者を選抜することは可能ではないか、と思います。

例えば試験の受験資格者について、ワーキングホリデーの対象国をアジア諸国にも拡大し、その対象である若年層にする。
ワーキングホリデービザの発給件数を、今よりも増やす。
ワーキングホリデーでの在留期間を1年間にして、国際交流をしながら働き、日本語能力試験3級(N3)と検定試験に合格を目指す。
合格すれば、人手不足と呼ばれている仕事で、引き続き在留資格「特定活動」で滞在できるようにする。
その期間は、最長3年間とする。
滞在中は、働きながら夜間部の専門学校に通学することを認め、卒業し専門士の称号を得れば、就労の在留資格「技術・人文知識・国際業務」への変更を可能にする。
各種の試験の対策講座として、日本語学校や専門学校に協力してもらう。
日本政府は、新興国に二国間援助をしているので、各国の政府に、そのお金で、上記のための奨学金制度を作ってもらい、試験合格を目指して、日本に滞在している自国の若者の学業を支援してもらう。
このような形で、ワーキングホリデーを利用した枠組みを作ったらどうでしょう。

ワーキングホリデーの対象国をアジア諸国に拡大すれば、本国では大学等の高等教育機関に進学できない人、仕事の実務経験を積めない人が、日本に入国し、国際交流をしながら働くことができますし、「日本で検定試験に合格し、日本で働こう」と思う人が出てくるかもしれません。
そして、多額の借金をして、留学や技能実習をしている外国人達が、その返済のため、失踪や不法残留につながっているようですが、ワーキングホリデーでは、そういうことは防げます。
又、計画を立てコツコツ勉強し努力すれば、ステップアップできることを示してあげれば、そのほうが長期間お金を稼げるのだ、と理解してもらえる、と思います。

受入企業の環境整備も重要に

一方で、ブローカーの排除対策もしながら、上記の外国人を受け入れる企業については、
外国人労働者の労働環境の配慮を考えて、登録制にし、公表したらどうか、と思います。
下記の登録要件を満たさないと、在留資格の申請することができない、という登録にします。
・法人税や消費税など税金の滞納がない
・労働保険や社会保険に加入し、保険料を納付している
・労働基準監督署から、過去に、長時間労働などが疑われる監督指導を受けてない
・労働環境の講習を新設し、3年から5年に1回、管理者に受講を義務付ける
・学業のための支援や配慮を義務付ける
などの「普通に事業を営んでいたら当然だよね」の登録要件をもうけたらどうでしょうか。

特定の業界や特定の地域になると思いますが、人手不足が続く業界については、外国人の労働環境もそうですが、日本人の働く環境も整えることが大事です。
又、日本の若い世代に敬遠される業界や会社は、外国の若い世代も敬遠する、と考えるべきなので、業界や会社としての、「働き方改革」は重要だとも思います。

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