今考えるべき家庭教育

 | 次世代教育プランナー
田中 正徳

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「家庭教育支援法案」とは

2017年1月下旬からの通常国会で、自民党が提出する「家庭教育支援法案」が物議を醸しています。
法案の名前から察するに「貧困家庭への教育支援」「いじめ・暴力を受けている子どもの家庭へのケア」など、困っている人に向けてのものかと思いきや、どうもそうではなさそうです。
この法案、どのような内容かの定義は、【保護者が子に社会との関わりを自覚させ、人格形成の基礎を培い、国家と社会の形成者として必要な資質を備えさせる環境を整備する】となっています。
噛み砕くと「家庭でこそ親が子に向け、国や社会で役立つ人になるための教育をしましょう」「その手助けをするのが、国や自治体です」ということになります。

現状の学校でのいじめ・不登校の問題や、部活動顧問や日々の授業以外の事務処理等で長時間労働を余儀なくされる先生には、生徒一人一人に向き合う時間というのが極端に限られています。
物理的に学校ではそんな時間は作れませんので、子どもの指導は家庭でお願いします、ということで法律を作る、と一見思われがちです。
ただ実際は、家庭教育に国が一方的に介入するのではないかという一面が危惧されています。

家庭教育の基盤はどこに

家庭教育は子育ての中でも重要な役割を果たします。
ただ、都市化や核家族化が進み、親や身近な人から子育てそのものを学ぶ機会が減少しています。
そして問題はそれだけではありません。
きちんと教えることができる人、システムがあるのかというと、疑問符が浮かびます。
ライフスタイルの多様化、国際化や晩婚化もあり、家庭環境を支える環境の未来は、整備されているとは言えません。

教育は学校からいきなりスタートするわけではありません。
そのベースとなるのは家庭なのです。
学校に入る前の幼少期は、人格形成の基礎となる大切な時期です。
学校教育のいかんは、家庭教育の基盤があってこそです。
その基盤が様々な理由で脆弱な人や、助けを必要としている人は必ずいます。
それを国や自治体は無視することはできません。
そんな家庭こそ地域住民と力を合わせて、家庭教育を支援する何らかの施策が必要なのは事実です。

すべての親を対象とした家庭教育支援

これまでの家庭教育支援というと、箱物で教育セミナーなどのイベントや講座を開き、希望する親に向けたものがほとんどで、参加者は家庭内教育に興味・関心・理解を持ち、自らの意思で参加する親が中心でした。
それ以外の親、周りとの交流も少なく孤立しがちな親や学ぶ余裕のない親などへの支援は、行き届いていないのが現実でしょう。
多様な家族形態が広がり、特に父子母子家庭の参画は厳しいものがあります。

どんな家庭環境に生まれようとも、子どもは最低限の生活と教育環境を享受できる権利を持てるのが近代福祉社会です。
「家庭教育支援法案」の骨子には、【国と自治体は、家庭教育に関する保護者への学習機会の提供や相談体制の整備に努める】とあります。
ガイドラインを整備し、何でもかんでも学校や外部に押しつけるのではなく、子どもの教育の基礎を担う親へ向けて、負担の少ないサポートを、国や自治体がICT技術など、最新システムを用いた整備を行い全うするのであれば、親としての自覚を促進する起爆剤になるかもしれません。

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