人事の悩みを人工知能が解決!?

 | 社会保険労務士
大竹 光明

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人事の悩みを解決?

「HR(Human Resource)テクノロジー」という言葉をご存知でしょうか。
これは、近年急速に進化を遂げているAI(人工知能)と人に関するビッグデータを融合させ、企業の人材の採用・管理・教育・評価などに有効活用させる技術のことです。
働く人の価値観や企業に求められるサービスが多様化している今、これまでの経験則や既存の規程で人を管理する方法では、対処できない問題が増えてきています。
HRテクノロジーで「人材」という資源をデータとして可視化し体系的に取り扱うことで、人事の問題解決に繋げていこうとする技術なのです。

例えば、ある支店の営業課に所属するAさんのことを本社の社長が直接知らなくても、HRテクノロジーによりAさんの経歴やスキルを分析し、最適な部署はどこか、必要な教育訓練はどんなものか、適正な給与・賞与はいくらかなどをHRテクノロジーが助言してくれます。
また、企業内だけでなく外部のビッグデータと連携することで、自社では育成できなかったような人材も発掘できるようになります。
もはや、これまで企業の人事部門が担ってきた仕事の多くをHRテクノロジーで代替出来る時代になったようです。

様々なHRテクノロジー提供サービス

日本の企業でも、このHRテクノロジーの導入が進んでいます。
一つは、サービスを提供する会社が増えたこと、もう一つはクラウドサービスの普及により自社でサーバー等を整備することが不要であるため導入のコストが低く抑えられるようになったことが背景にあります。

また、HRテクノロジーと一口に言ってもその種類は様々で、新卒採用に特化したもの、既存の社員の管理を得意とするものなど様々です。
導入に当たっては、自社の人事に関する問題点に合わせたサービスを選択することが肝心です。

それでも人事に人間の出番はあるか

人が扱えないような膨大な人材に関するデータを収集し、様々な角度からそれらを解析し、最適な方法を提示するHRテクノロジー。
人間の出番はあるのでしょうか。

英国オックスフォード大学マイケル・A・オズボーン准教授が2014年に発表した、10年後にコンピュータに取って代わられると予測された仕事を見てみると、ほとんどが単純事務作業や受付・審査業務といった、人間の想像力やコミュニケーション能力を多く必要としない仕事でした。
これまで人事部が担ってきた給与計算や従業員情報の管理・税務や社会保険関係の手続きなどは、人間よりもコンピュータの方が得意とする仕事でしょう。
しかし、HRテクノロジーが提示したデータや方法を実行に移すのは人間の役割ですし、上手く活用できるかどうかは扱う人の能力次第です。
また、従業員の抱えているストレスや将来のビジョンなどを直接本人から聞き取って、きめ細やかに対処することは人間にしかできません。
人事に関する事務作業やデータ収集・解析に分類されるものはコンピュータに任せ、これまでその仕事に充ててきた時間を、人間にしかでき得ない仕事に回す。
これからの人事部の在り方はそのように移行していくものと考えられます。

HRテクノロジーに仕事を奪われるのではなく、上手く使いこなす側へ。
働く人の意識改革が大切になってくるでしょう。

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