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確定申告であなたの支払った税金を取り戻しましょう

カテゴリ:
お金・保険
キーワード:
確定拠出年金
所得税 計算

今年の確定申告の主な変更点

確定申告のシーズンとなりました。
2016年分の受付は、2月16日から3月15日までとなっています。

今年の申告(2016年分)から変更された主な制度は、次の通りです。
①給与所得控除の上限額が、昨年は給与収入1500万円超で一律245万円でしたが、2016年分は1200万円超で一律230万円に引き下げられました。来年は1000万円超で一律220万円に引き下げの予定です。
②上場株式等と公社債等(国債・社債・外貨MMFなど)の損益通算が可能となりました。
③3世代同居に対応したリフォーム費用の10%(最大25万円)まで税額控除できるようになりました。
④相続した空き家の譲渡益について3000万円まで控除が可能となりました。
⑤申告書にマイナンバーの記載が必要となりました。

税金を取り戻す方策

確定申告により税金を取り戻すには医療費控除や保険料控除などさまざまな方策がありますが、今回は還付金額の大きなものについてご説明します。

① 小規模企業共済掛金控除
小規模企業共済とは、国がつくった「経営者の退職金制度」です。
加入できるのは小規模会社等の役員や個人事業主で、払い込んだ掛金合計額の範囲内で事業資金の貸付制度も利用することができます。
共済金の受取方法は一括・分割・併用のいずれかを選べます。
毎月の掛金は1000円~70000円の範囲内で自由に選べ、全額所得控除となります。
掛金が毎月7万円年間で84万円の場合、加入者の所得税率を20%と仮定しますと所得税の還付金額が約17万円となり、住民税の約8万円を加えると合計で年間約25万円、20年間掛け続けると総額約500万円の節税効果となります。

② 確定拠出年金の活用
確定拠出年金とは、公的年金に上乗せして給付を受ける私的年金の一つです。
加入者自身が金融商品を選び、運用成績次第で将来の受取額が変わるのが特徴で、企業を通じて入る「企業型確定拠出年金」と、個人で加入する「個人型確定拠出年金(iDeCo)」があります。
iDeCoの加入者は、これまで自営業者などに限られていましたが、今年の1月から公務員や専業主婦なども含め基本的にすべての人が加入できるようになりました。
税務面でのメリットには、掛金の全額所得控除・運用益の非課税・受取時の税制優遇措置などがあります。
掛金が毎月2万円年間で24万円の場合、加入者の所得税率を20%と仮定しますと所得税の還付金額が約5万円となり、住民税の約2万円を加えると合計で年間約7万円、30年間掛け続けると総額約210万円の節税効果となります。

③ 上場株式等の譲渡損失の繰越控除
上場株式等の売却損失の金額がある場合は、配当等の金額との損益通算が可能です。
また、損益通算してもなお控除しきれない損失の金額については、翌年以降3年間にわたり、繰越控除することができます。
これは、「その年のマイナスを向こう3年間の利益(売却益・配当等)と相殺できる」という制度です。
この制度の適用を受けるためには、売却損失が発生した年はもちろんのこと、その後に取引がない年があっても、その損失を繰り越す期間は引き続き確定申告をしなければなりません。
例えば、ある年に700万円の損失が発生し翌年以降3年間で700万円の利益が出た場合、繰越控除の手続きをしている場合は税金の支払いはありませんが、手続きをしていない場合は納税額が3年間で約142万円となります。
 
3つの例からもわかるように、節税対策をする・しないで大きな差となります。
これを機に税務の知識を身につけ、税金を取り戻しましょう。

家計簿診断とライフプランニングのプロ

山下幸子さん(独立系FP事務所 山下FP企画)

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