止まらないトランプ大統領のメディア批判 メディアの社会的役割とは?

 | 弁護士
田沢 剛

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止まらないトランプ大統領のメディア批判

トランプ大統領によるメディア批判が物議を醸しております。
ブッシュ元大統領までもが「メディアは必要」などとしてトランプ大統領のこのような姿勢を批判しているようですが,そもそもメディアと政権はどのような関係にあるのでしょうか。
これを紐解くためには,メディアが社会で果たすべき役割を理解する必要があります。

メディアの果たすべき社会的役割とは?

そもそも民主主義社会(民主主義政治)というものは,国家の主役は国民であるという原理に基づく社会です。
しかしながら,国家の構成員たる国民がそれぞれ自由な意思で自由な振舞いをすると,国家の秩序が乱れてしまいます。
そこで,国民ないし国民の選挙によって選ばれた代表者によって国のルール(法律)を作り,そのルールに従って国を運営する政権(政府)を作ることになります。
これらは多数決原理に依拠して進められるわけですが,多数決で決まったルールやルールの執行のあり方が,必ずしも法の原理に基づく正しいものであるとの保証はありません。
偏った情報しか流通していない社会において,偏った考え方のもとで多数決が行われた場合,正しいルールの制定やその執行のあり方は期待できないからです。
裏を返せば,情報統制が行われる社会では,政権が独善的に国家を運営することが可能となり,政権によって憲法の究極の価値である基本的人権を侵害されかねないのです。

より良い社会の仕組みを作って行くためには,国民が様々な情報に接することができ,それに基づいて判断し,これを社会の仕組み作りに反映させることが必要不可欠です。
憲法21条で「表現の自由」が保障されていますが,正しく表現するためには正しい情報に接することができなければなりませんから,「表現の自由」には「知る権利」が含まれています。

そして,メディアは情報を社会に流通させる,すなわち国民の「知る権利」に奉仕する役割を担っているということになり,さらに政権との関係でいえば,政権が間違った考え方で国家を運営しようとしている場合にそのような情報を社会に流通させることで,これを是正することに繋がりますから,メディアは政権を監視する機能を有しているともいえます。
謙虚な政権であれば,メディアから提供される情報をもとに物事を多面的に判断することが可能となり,より国民に信頼される政権になっていくことも期待されわけです。

メディアと政権はある程度の距離を保つ関係が大切

このようなメディアの役割を考えると,メディアと政権は,ある程度の距離を保った関係になければならないことは明らかです。
政権がメディアを統制するようになってしまうと,それこそ偏った情報のみが社会に流通することになり,国民は正しい情報に接することができなくなるわけですから,そのような社会の行き着く先が独裁国家であることは,容易に想像できるでしょう。

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