企業の4割以上が正社員不足 過去10年間で最多

 | 社会保険労務士
大竹 光明

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不足する「正社員」

帝国データバンクの調べによれば、「正社員が不足している」と感じている企業が4割を超えたそうです。
これは、過去10年間で最多です。
不足していると回答した企業の業種は、「放送」が7割超と1位で、「情報サービス」、「メンテナンス・警備・検査」、「人材派遣・紹介」、「建設」の各業界も6割以上の企業が正社員の不足感があると回答しています。
どうして、これほどまでに正社員が不足しているのでしょうか。

人材への投資が後手に回った結果か

これまで日本の経済を支えてきた“団塊の世代”が、2012年頃から徐々に定年を迎えて大量に現役をリタイアしており、ベテラン正社員が減っています。
また、バブル崩壊後の経済不況により、10年以上の長期間にわたり、多くの企業が人材コストをカットするため、正規労働よりパート・アルバイトなどの非正規労働に雇用をシフトしてきたことも一因でしょう。
加えて、少子化により新たに労働市場に参入する若者は年々少なくなってきています。

就職氷河期に就職活動を余儀なくされた現在のアラフォーにしてみれば、少子高齢化は避けて通れない問題なのに、企業側の人材への投資が後手に回ったツケだと、この調査の結果を少し冷めた目で見てしまうかもしれません。
企業側からすれば、不況を生き残るために最低限の雇用でやるしかなかったという本音もあるでしょう。

様々な人材確保ルートを当たり前にする

これまで、企業の正社員採用のルートは、新規学卒者の一斉採用、能力のある人材の中途採用の二本柱で行われてきました。
新卒一斉採用は企業のニーズに合った人材を長期的な視点で育成するために重要ですし、能力の高い人材の中途採用は即戦力が必要な場合に有効です。
しかし、少子化で新卒採用の対象となる若者は減る一方ですし、能力の高い人材は他の企業との取り合いになる可能性が高く、双方を確保するためには厳しい戦いをしなければならないこともあるでしょう。
現状では、この2つのルートから一度外れてしまった人材を、再び正社員として登用するルートが少ないことが問題です。
育児や介護などのために離職した人が、再び正社員として働くことが難しいことから考えても、日本の労働市場はまだまだ閉鎖的だと言えます。

そこで、現在非正規労働で働いている方や、しばらく労働から離れていた人を正社員へ引き上げることが必要になるでしょう。
すでに能力のある労働者は言うまでもありませんが、これまでの経験値が低い為に能力を発揮できていないと思われる人材を再教育し、これからの戦力として育てていくという視点を持つことも大切になってきます。
もちろん、それには時間もコストもかかりますが、働く人の数自体が減っている中では、これまでのように「能力が高く、仕事がデキル人」を探し求めるだけでは、人材を確保することは難しいでしょう。

また、既に介護現場で検討されているように、外国人のマンパワーを活かすことも考えなくてはならないかもしれません。
国も、外国人の労働力を受け入れるための施策を色々と検討しているようです。
これからの時代、人材は楽して確保することはできません。様々な人材確保ルートを世の当たり前にし、働く意欲のある人材を育て、活用していくことが重要だと考えます。

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