東京23区内の大学定員規制を検討 若者の東京一極集中が是正されるのか?

 | 塾長
熊谷 修平

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東京23区内の大学定員規制を検討

若者の東京一極集中の是正に向けて、地方大学の振興策を検討している政府の有識者会議が、今回「東京23区内にある大学の定員増を原則として認めない」という新たな法規制を設ける方向で検討に入りました。
若者の東京への一極集中を是正し、地方の活性化を図る狙いがあるようです。

確かに、首都圏への転入超過者の8割以上を15~24歳の若年層が占めており、これは大学や就職の際に首都圏に出てきたと考えることが出来ます。
この点、政府としては、東京の大学の定員が多い事で地方から若い世代を奪っているとの見方のようです。
しかし、この法規制で本当に若者の東京一極集中が是正されるでしょうか?

若者が東京を選ぶ理由

 
今回の法規制には、そもそも「なぜ若者が東京に行きたがるのか?」という視点が抜けているように思えます。
通常、地方から東京に出るためには、そのまま地方にとどまるのに比べても決して家計の負担は小さくなく、それだけでも簡単な事ではありません。
それでも若者が地方よりも東京を選び出て来る理由はどこにあるのか?
それをしっかりと考える必要があります。

地方にはなく、東京にしかない魅力。
それは、多種多様な大学や職場への魅力、また、選択肢の豊富さや就職のしやすさ、活動場所の多さなどであり、東京にしかない魅力は確かに数多いのです。

地方でも魅力のある大学は作ることは可能

しかし、一方で地方だからと魅力が作れないわけではありません。
例えば、定員割れが叫ばれている地方の大学ですが、秋田にある国際教養大学は、大学自体でその魅力を作りだし定員割れどころか毎年5倍近い倍率がある程の人気となっています。
国際教養大学の目的は「国際社会で通用する教養人を育成すること」。
これがこの大学の理念であり、それにそって独創的なカリキュラムやサポート体制が組まれています。
更に、就職率も毎年100%近くであり、就職先も一流企業ばかりです。
その事もあり、現在では、東大・早慶を上回る人気を誇るほどになりました。

地方だからといって魅力を作れないわけでは決してない。
つまり、東京にはなく地方だからこそある魅力をしっかりと構築することが何よりも重要なのです。

地方独自の魅力を作りアピールすることが求められる

今回の有識者会議では、同時に地方へのUターン・Iターンする若者への支援策や地方で就職した場合の奨学金返済免除なども盛り込む予定になっています。
もし本当に東京一極集中の是正を考えるのであれば、この点をもっと充実させる必要があります。
つまり、地方独自の魅力をもっとあげることや、たとえ東京の大学を出ても地方で働く事に魅力をもっと感じられるようにする事、また、東京では難しい地方に住むことのメリットがしっかりと見えるようにすること等が重要です。

安易に人の流れを禁止するのではなく、人がなぜ東京に流れるのか?をきちんとつかみ、それが地方でも十分達成出来るようにする事、または、それに代わる魅力があるようにする事が鍵となるのです。
そうすれば、地方に人がとどまるだけでなく、たとえ大学は東京で出たとしても地方に戻る人も徐々に増え、地域創生にもつながるのではないでしょうか。

インターネットが発達し、少しずつ情報格差も物の格差もなくなってきている中、地方や地方の大学がどれだけ独自の魅力を作り、東京とは違う点でアピールできるか?が求められていると言えそうです。

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