有休取得「3日増」政府目標、実施企業に助成も生産性向上がカギに

 | 社会保険労務士
成澤 紀美

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有休取得「3日増」政府目標に

政府は、2018年度の各企業の有休取得について、前年度比で「3日増」を目指す新たな目標を掲げる方針を固めました。
政府はまた、有休取得を増やした企業には助成優遇措置を講じるとしています。

政府が目指す「2020年に有休取得率70%」

厚生労働省の「就労条件総合調査」よると、有給休暇の2014年1年間の平均付与率18.1日、平均取得率48.7%、労働者1人当たりの平均取得率は8.8日に留まっています。
従業員規模別でみると、1,000人以上で平均付与率19.1日、平均取得率54.7%、労働者1人当たりの平均取得率10.4日に対し、100人未満では平均付与率17.0日、平均取得率43.7%、労働者1人当たりの平均取得率7.4日と、いずれも低く、特に労働者1人あたりの取得率では3日も差が開いています。
従業員規模が小さいほど代替要員に乏しく、有休が取得できない・取得しにくい就労環境であると予想されます。

大手企業では、年次有給休暇の連続休暇に奨励金を支給するなどし、自主的に有休取得率アップを目指していますが、多くの中小企業では企業の体力も強くなく、なかなかそうはいきません。

生産性向上のための仕組みとセットであることが不可欠

ただ単に有休取得を増やそうとしても簡単に増えるわけではなく、そこには生産性を向上させる仕組みとして、労働時間の短縮とも併せて検討するなど、働き方全体を変えていく仕組みを考えていかなければなりません。
この働き方を変えていくための施策に対して国は助成をすべきで、代替要員の確保する費用を助成し、実際に有休取得が一定日数以上増加できたら、次の施策を打つための費用を助成するなど検討して欲しいところです。

2017年度の厚生労働省関連の一部助成金では、一定の生産性要件を満たしていると助成額がアップされる仕組みになっています。
この生産性要件を、より多くの中小企業が達成しやすい要件にするなども、今後さらに検討をして頂きたいと考えます。

労働力が減少しているとされる今、企業の体力弱体化につながらないよう、単に有休取得を増やした企業に助成し優遇措置を講じるだけではなく、生産性向上のための施策とのリンクが必要不可欠ではないでしょうか。

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