季節性アレルギー性鼻炎は、俗に花粉症と言われます。花粉症の方が国民の認知度は高いのではないでしょうか。
季節性ですので、花粉が多い時期に出ます。花粉は地域や種類により飛散時期は異なりますが、3月は杉の木の花粉量が多いため、花粉症で悩む時期と言えます。
アレルギー性鼻炎とは、アレルギー症状を起こす原因物質が鼻から入り、粘膜から体内へ吸収された際に生じる免疫反応の病気です。その代表格が花粉症と言えます。
花粉症は、鼻や目に症状が出て来ます。
鼻の三大症状 くしゃみ、鼻水、鼻づまり
目の三大症状 目のかゆみ、目の充血、涙目
長期間に及ぶと、頭痛、体がだるい、熱っぽい、喉・顔・首がかゆい、咳が出る、集中力が低下する、イライラする等の全身症状が出て来ます。
花粉が鼻などに付着した時に起きる炎症反応のメカニズムは、大分解明されて来ているので、最近は安価で有効な薬が、ずいぶん開発されています。薬で症状を抑えている人も多いのではないでしょうか。花粉症状は、インフルエンザやCOVID-19など類似の病気にも見られますので、症状がつらい人は、まず専門医を受診してみると良いのではないでしょうか。
環境庁では、花粉症の原因は花粉だと言っています。環境庁の『花粉症環境保健マニュアル2022』(25頁)には、花粉のばく露(浴びること)を防ぐために、以下のことを言っています。「花粉症の症状を緩和させ、発症を遅らせるためには、花粉についての知識を持ち、いかに花粉を避けるかが予防の基本になります。花粉の飛散予測情報を有効に使いましょう。花粉は昼前後と夕方に多く飛散します。外出時の服装は花粉が付着しにくいものを選び、マスク、メガネなどで花粉を防ぎ、帰宅時には花粉を払うなどして家の中に花粉を持ちこまないようにしましょう。一般的な注意事項としては、睡眠をよくとること、規則正しい生活習慣を身につけることなどは正常な免疫機能を保つために重要です。風邪をひかないこと、飲酒、喫煙を控えることなども鼻の粘膜を正常に保つために重要です」。花粉の飛散予測情報は、日本気象協会で確認することが出来ます。花粉症でお悩みの人は、花粉症用のマスクやメガネを使用し、服装にも注意を払っている事と思います。
環境庁も指摘していますが、対策として規則正しい日常生活を送ることがポイントです。40年に及ぶ臨床経験から考えると、花粉症にお悩みの人で共通していることは、寝不足と冷たい物の飲食です。
養正治療(清野鍼灸整骨院ホームページ「くらしと養生」参照)として、以下の点に注意することを提案します。
1.一日7時間半から8時間の睡眠をとる
2.冷蔵庫で冷やした物の飲食を控える
3.体が冷える特性の物(麦(ビールや麦茶)果物(柑橘類)ウド等)を飲食することは控える
4.刺身や生野菜などの食事は控える
5.1日3回の鼻うがいと洗顔を行う
2,3,4の事は、内臓が疲労しやすい状態を生みますので、この時期は注意が必要です。2月3月4月に1~5のことを心がけると、功を奏します。当院では、鼻うがい専用の容器を提供して、鼻うがいを推奨しています。詳しくは、JIJICO内の下記コラムをご参照願います。
「花粉症対策はマスクだけで大丈夫? 東洋医学を活用して花粉症予防を!」
3月4月は、歓送迎会等で宴会が続きます。アルコールの摂取や暴飲暴食は、花粉症状を助長しますので、注意が必要です。上記の事が該当しない人は、「くらしと養生」を参考にしながら身体に負担が生じている事を検討し、見直してみて戴きたく思います。
自然免疫(生まれつき体に備わっている免疫)の働きは、花粉によって妨げられることが分かっています。日本気象協会のホームページを見ると、花粉が飛ばない時期は、12月と1月くらいですので、花粉が体内に侵入しないための対策は、概ね1年を通じて大切だと言えます。花粉やウイルスが体内に侵入する場所は、体にある9つの穴です。体内との出入り口を清潔に保つことは必須です。詳細は、JIJICO内にある下記コラムをご参照ください。
「人体の9つの穴を清潔にすることと免疫力アップでウイルス対策を!」
花粉症の人は、くしゃみ、鼻水や鼻づまりになりますので、口呼吸になりやすいと言えます。鼻呼吸は、吸い込んだ冷たい乾いた空気が鼻腔内で温められ、湿り気を帯びてから喉の方へ流れこみ、気道の粘膜にある線毛が病原体などの異物を排除しています。口呼吸は、唾液などで排除していますが、鼻呼吸と比べると、侵入を防ぐ力は弱いと言えます。そのため、ウイルスや細菌等が体内に入り、内臓の機能低下を招きやすくなります。
内臓の機能低下を防ぐには、室温の上昇が大切です。くしゃみが出始めたら、体が冷たくなっていないか確認して、室温の上昇や洋服を多めにすることが大切です。寒い場所での生活や薄着をした状態で過ごしていると花粉症を発症しやすくなります。低体温について詳しく知りたい人は、JIJICO内にある下記コラムをご参照ください。
「1月は低体温に注意!心筋梗塞を誘発する低体温症を防ぐにはどうしたら良いのか!?」
日常生活の改善で症状が軽減しない人は、鍼灸治療や瘀血治療をご利用ください。つらい症状の軽減・消失に有効です。また、薬を飲んでも良くならない人、特定の病気療養や妊娠中のため薬を飲めない人、日常生活を改善することが出来ない人は、是非鍼灸治療や瘀血治療を活用して戴きたく思います。
この時期の治療は、「対症療法」と言えます。数回日を置かずに治療すれば、くしゃみやかゆみが軽減し、日常生活を送ることは左程苦痛ではなくなります。しかしながら、数日経つと、再び症状がぶり返します。そのため、花粉が飛んでいる季節は、繰り返し治療する必要があります。症状の発症を抑えたい人は、花粉症の時期となる3か月前から集中的(週2~3回)に鍼灸治療をして体調管理をすれば、発症しないか発症しても薬を服用しなくても過ごせるくらいまでになります。「根本療法」をご希望の人は、基礎疾患をお持ちかそうでないかで治療期間は異なりますが、月に1~4回の治療を10か月から14か月程度継続して行うと、アレルギー症状を回避できる確率が高いと言えます。
薬物治療(内科治療)を回避したい人は、お近くの鍼灸院または鍼灸師が勤務している医療機関にご相談ください。
また、「根本療法」をご希望の人には、ヨガ(YOGA)がお勧めです。毎日、3年続ければ、花粉症状が遠のくはずです。運動法、呼吸法や瞑想法を学びたい人は、清野メディカルヨーガもしくはお近くのヨガ教室(YOGA School)にご相談戴きたく思います。
有期労働者のみに適用される変更は、無期労働契約への転換を申込む有期労働者が増えることが予想される非常に重要な改正ですが、今回の記事では、全労働者(契約期間の定めのない労働者、及び有期契約労働者)に適用される改正について解説します。改正の内容はシンプルですが、多様な正社員が増えることが予想される重要な改正になります。
全労働者に適用される改正の概要をご説明します。現在は、労働契約の締結に際して、雇入れ直後の就業場所、及び従事すべき業務を労働者に書面で明示すれば足りることになっています。例えば、「従事すべき業務:ルート営業」「就業の場所:本店」などと入れ直後の就業場所・従事すべき業務を明示すれば良いのです。
しかし、2024年4月からは、「就業場所・業務の変更の範囲」まで書面で明示しなければならなくなります。有期労働者に対しては、労働契約の締結時に加えて、有期労働契約の更新のタイミングごとにも明示が必要です。「就業場所・業務の変更の範囲」を明示する必要のある労働者は、2024年4月1日以降に労働契約を締結・更新する労働者になります。
そして、更に、職業安定法施行規則も改正され、求人企業が労働者の募集をする際にも、求人票や募集要項に、従事すべき業務、及び就業場所の変更の範囲も2024年4月から明示しなければならなくなります。
労働契約の期間中に変更のある業務・就業の場所は、全て明示しなければならなくなります。例えば、以下のように変更の範囲の明示が必要になります。
現在、人手不足で悩んでいる企業が多い状況です。この改正は、企業が求人をする際に、影響を及ぼすことになるとみられています。
求職者にしてみれば、職務や就業の場所をできるだけ明確にして欲しいと思うのは自然なことです。どのような業務に変更になるかわからない会社より、変更の範囲が明確な会社に入社したいと考える方も多いでしょう。就業の場所も同様です。入社したときには自宅から30分程度の勤務地だったのに、片道90分かかる就業の場所に異動になるのは避けたい方も多いでしょう。
人材確保に悩む企業が多い現在、同業他社と比較されることを考えれば、求職者のニーズを踏まえて、職務や勤務地に限定をつけた求人(可能な限り、変更の範囲を明確にした求人)が徐々に増えていくことが予想されます。
例えば、就業の場所で言うと、以下のような求人です。
一つの店舗や支店に限定できない企業であっても、ある程度の限定を加えることは可能でしょう。就業の場所の変更の範囲を限定すれば「地域限定社員」となります。また、職務の変更の範囲を限定すれば「職務限定社員」となります。正社員の採用に関して限定をすれば、いわゆる限定正社員となり、多様な正社員が増えていくことが予想されています。
今後は、人材活用の方針が明確になっている企業は、曖昧な企業より人材の確保が有利になると思われます。職務や勤務地をより明確にすることができるからです。
]]>この記事では、イタチの生態や被害状況、そして予防・駆除方法について解説します。
農林水産省によると、令和4年度の野生鳥獣による農作物被害は、イタチを含めて約156億円に上ります。
イタチによる被害は西日本を中心に全国に広がっており、近年では西日本のみならず東北地方での被害報告も増加傾向にあります。先日は新潟の住宅でイタチを捕獲した、というニュースがYahooのトップニュースとなり話題になりました。(住宅に"イタチ"!?家の外壁に穴や傷 ネズミ用の仕掛けカゴに…【新潟・佐渡市】 引用:2024.2.28NST新潟総合テレビ 新潟ニュース)
農家の住宅では屋根裏への侵入や騒音発生、糞尿による天井板の腐食、断熱材の破損といった生活被害が深刻な課題となっています。
日本に生息するイタチは、ニホンイタチ、シベリアイタチ、イイズナ、オコジョの4種類です。それぞれ見た目や生息場所に違いがあります。
イタチが屋内に侵入すると、以下のような被害に遭う可能性があります。
● 騒音被害:夜行性で、夜になると屋根裏で走り回ったり、鳴き声をあげたりすることで、睡眠を妨げられる
● 悪臭被害:毎回同じ場所に糞尿をする「ためフン」という習性があり、糞尿のニオイが家中に広がる
● 健康被害:ダニやノミなどの害虫を運んでくることで、アレルギーや感染症などの病気になる
● 屋根裏の汚損被害:断熱材をほぐして巣を作ったり、糞尿で建材を腐食させたりすることで、リフォームが必要になる
● ゴミ・農作物の食い荒らし被害:キッチンに忍び込んで食料品や生ゴミを食べたり、田畑や家庭菜園で野菜や果物を食べたりすることで、食糧被害に遭う
イタチから家や畑を守るには、イタチの習性や好む場所を把握し、有効な対策を取ることが大切です。
イタチ対策の方法として、次のようなものが挙げられます。
イタチは野生動物として「鳥獣保護管理法」という法律の対象になっているため、自分で駆除したり捕まえたりすることはできません。
イタチから被害を受けているときは、住んでいる地域の自治体に有害鳥獣として捕獲する許可をもらいます。捕獲したら、法律に基づいて処分することになります。
イタチを捕まえるために、罠を仕掛けます。イタチを捕まえる罠には、主なものとして3つの種類があります。
● 吊り餌型
● 踏板型
● くくり型
「吊り餌型」と「踏板型」は箱罠という名前で、箱の中に罠を仕込み、かかるとドアが閉じて捕まる仕組みです。
一方、「くくり型」はワイヤーを使った罠で、餌を入れた木やプラスチックでできた筒状の罠となっています。
忌避剤とは、イタチにとって不快なにおいや味を持つもので、イタチを遠ざける・撃退するために使うアイテムです。
忌避剤はネットやホームセンターなどで簡単に入手でき、シート状や粒状などいろいろなタイプがあります。
しかし、製品によっては効果が一過性なこともあり、完全に解決できない可能性があることに気を付ける必要があります。
イタチの予防・駆除方法で最も信頼できる方法は、害獣駆除専門業者にお任せすることです。
害獣駆除専門業者はイタチの習性や特性をよく知っており、有効かつ速やかにイタチを駆除できます。
さらに、イタチの巣やフンの清掃や消毒、侵入口の閉鎖などのフォローアップもしてくれます。
実際に、私が所属する「駆除ザウルス」では、駆除作業から再発予防の防除消毒まで一貫して対応しております。
イタチでお悩みの場合は、専門業者にご相談されることをおすすめいたします。
]]>夜、トイレに起きるようになるのは、何時頃からでしょうか。
50代後半から1回くらい起きるようになりますが、多くの人は、60歳代になってからのようです。年齢を重ねるごとに夜間尿は増える傾向にあります。敢えて数字にしてみると、
60歳代は1~2回
70歳代は2~3回
80歳代は3~4回
90歳代は4回以上
という感じでしょうか。
夜間時、排尿のために1回以上起きる症状を夜間頻尿といいます。夜間頻尿は、1)多尿・夜間多尿、2)膀胱容量の減少、3)睡眠障害に分類されます。
夜間頻尿の原因は様々言われていますが、はっきりわかっていません。寝る前に水を飲む、目が覚めるたびに水を飲む、ビールなどを飲み過ぎた等の時は、年齢に関係なく夜中に1~2回目覚めますので、1回夜間時排尿するために起きたくらいでは、夜間頻尿の認識を持たないと思います。3回くらい目が覚めると睡眠不足を感じると思いますが、それでも自分が病気だという感覚は持たないと思います。2週間以上毎日4~5回以上夜間尿がある人は、何か疾患が潜んでいるかもしれませんので、専門医を受診してみると良いのではないでしょうか。
夜間頻尿は、年間を通じてある症状ですが、気温が低くなると回数が増える傾向にあります。立冬から立春までの冬期は気温が低いので、夜間尿は増加傾向にあります。2024年は2月4日に立春です。暦上の季節は春とはいうものの、まだまだ寒さを感じる時期ではありますが、その後徐々に最高気温は高くなっていきます。にもかかわらず、夜間尿は一番多い時期になっています。その原因ははっきりわかっていませんが、長年の臨床経験と東洋医学の視点で考えると、日較差(にちかくさ)が原因の一つではないかと考えます。
2月は最高気温が高くなるものの、最低気温はあまり高くなりません。そのため体温維持が困難になるとされる最高気温と最低気温の差が5℃を超える日が多くなります。10℃以上になると、服装だけでは賄えなくなるため、室温を高くすることや温かい物を食べる等の対策が必要になります。室温を18℃未満で生活している日本人は40%近くいます。寒い時期に冷たいビールや氷を入れた飲み物を飲み、暖かくなるような服装をしていないで生活していると、年齢に関係なく夜間尿は増加すると考えます。
日較差が5℃を超えたら、的確な対策が必要です。住環境や暖房器具の種類によって快適さに違いはありますが、冬に活動時19~21℃、食事時22~25℃、安静時26~28℃の室温で過ごす事が目安です。
詳しくは、JIJICO内にある下記コラムを参照戴きたく思います。
「18℃未満の室温で生活すると危険!?寒い部屋は死亡率が増加!!」
寝室でお休みになる時は安静時になりますが、寝具をまとってお休みになる時26~28℃だと、暑すぎて寝苦しいと思います。外気温が氷点下になる寒冷地では家自体が冷やされますので、地域によっては高い温度設定が必要かもしれませんが、東京のように最低気温がマイナスになる冬日がほとんどない地域では、17℃から19℃程度が良いと考えます。住環境によりますので、温度設定を20℃以上にする必要性もあると思います。しかしながら、寝ている間に布団から抜け出ている、布団をはいでいるようだと、室温が高いと言えます。室温を見直すか、服装を考え直す必要があります。
WHOは、16℃未満の室温で生活すると呼吸器に影響が出ると言っています。健康な人は、就寝中の外気温や室温が何℃でも対応できると思いますが、40年に及ぶ臨床経験から考えると、体が弱っている人は、以下のように感じると考えます。
16℃~15℃ 呼吸が少し苦しい
14℃~13℃ 鼻から吸う空気を冷たく感じる
12℃~11℃ 鼻から吸う空気を痛く感じる
10℃~9℃ 鼻が詰まり始める
8℃~7℃ 鼻水が出始める
6℃~5℃ 呼吸がつらい
4℃以下 寒くて目が覚める
室温が低くなると何度も目が覚め、その度にトイレへ行く人は少なくないようです。特に室温が10℃以下になると、鼻が詰まり始めて呼吸が苦しくなるため、眼が覚め易くなります。午前3時から5時頃は、一番気温が低くなりますので、10℃以下の室温でお休みになっている人は、体温が低下しないように寝間着を多めにし、タイマーを利用して暖房器具を使用するなどの対策が必要です。エアコンだと空気が乾燥して喉が痛くなるという人は、オイルヒーターがお勧めです。また、部屋が乾燥している人には、スチーム型の加湿器が、室温と湿度維持に有効です。
寒い室温の寝室で何日も過ごしていると、寒さに対応していることにより体が疲労してきます。11月頃より寒くなりますので、3か月を超えた頃つまり2月頃より、首や背中が張る、腰を動かすと痛い・重だるさを感じる、頭痛がする、目が疲れやすい、食欲が少し落ちた、動かすと膝が痛い、集中力が落ちた、気力が少し落ちてきたなど、低体温症に似た症状が出てきます。
寝室の環境対策を知りたい人は、JIJICO内にある下記コラムを参照戴きたく思います。
「北向きの部屋にいると病気になりやすい?日当たりの確保が病気回復には大切!?」
お布団に入っても、寝床が冷たいとなかなか眠れません。体熱がお布団に奪われると、その時点で尿意を催します。
一晩中目が覚めないで眠るためには、「寝床内気候(ねどこないきこう)」を整える必要があります。「寝床内気候」とは、布団の中の温度や湿度のことです。「寝床内気候」の最適値は、温度32~34℃、湿度50±10%と考えられています。33℃は、風呂上がりにかけると良いぬるま湯の温度でもあります。手にかけて、熱くもなく冷たくもない温度です。お布団の中も、33℃くらいが最適とされています。体温より少し低めなので、体から出る放射熱が布団に移り、眠りやすい状態になります。また、布団内の湿度は、50%前後が良いとされています。睡眠中は汗が出ます。布団内の湿気が多すぎると寝苦しくなりますので、汗をかいた状態や風呂上がり直後お布団に入ると、目が覚めやすくなります。
お布団は、定期的に日干しすることが理想的です。しかしながら、日照時間が短い冬の時期、雪の多い地域の人、布団を干すことが出来ない住環境の人は、布団乾燥機がお勧めです。また、湯たんぽを二つ用意して、寝る30分前にお布団の中の腰と足元に入れ、お休みになる時は腰の部分にある湯たんぽを足元に2つ50センチほど離しておくと、「寝床内気候」を整えることに役立ちます。
お子様の夜間尿にも有効な対策です。詳しく知りたい人は、JIJICO内にある下記コラムを参照戴きたく思います。
「日当たりの悪い寝室で寝ていると体調不良になる?理想的な寝室の環境とは!?」
私は、内科疾患を伴っていると思われる人には、初診時に必ず一日にトイレへ行く回数を聞いています。長年の経験から、体温とトイレの回数は、関連性がある印象を持っています。敢えて数字にしてみると、以下のように考えます。
体温が36.6℃から37.0℃の人 日中5~6回/日 (3時間に1回程度が正常)
36.1℃から36.5℃の人 日中7~8回/日
35.6℃から36.0℃の人 日中9回以上/日
34.6℃から35.0℃の人 日中9回以上/日 + 夜間尿1~2回/日
34.1℃から34.5℃の人 日中9回以上/日 + 夜間尿3~4回/日
34.0℃以下の人 日中9回以上/日 + 夜間尿5回以上/日
上記のトイレへ行く回数は、あくまでも目安です。水分摂取をあまりしない人は、日中トイレへ行く回数が少なく、夜間だけ多いという人も見られます。日中の勤務地が、屋外か屋内かによっても異なります。冷蔵庫や冷凍庫で仕事をしている人や寒冷地で仕事をしている人も、また違った印象です。いずれにしても、体温が低い人は、何らかの不調を抱えていることが多いので、体温上昇に努める必要があります。
低体温症について詳しく知りたいという人は、JIJICO内にある下記コラムをご参照戴きたく思います。
「1月は低体温に注意!心筋梗塞を誘発する低体温症を防ぐにはどうしたら良いのか!?」
夜間頻尿は睡眠の妨げになります。一晩に10回~15回という人も少なくありません。30分に1回というペースになりますので、まったく寝られないという日が続くのは深刻です。室温や「寝床内気候」の対策を講じ、服装に気を付け、薬物治療(内科治療)をしても症状が消失しない人は、お近くの鍼灸院または鍼灸師が勤務している医療機関にご相談ください。外科手術(外科治療)をして尿管に傷が付いて夜間頻尿になったという人にも有効です。10回以上の夜間頻尿が、鍼灸治療(内外科治療)をして2~3回程度に改善している症例は、数多くあります。体温が低い人には、特に灸治療が有効です。鍼灸治療は、身体の外側から内臓機能に働きかけることが可能な「内外科治療」です。
また、体温の維持・上昇に、ヨガ(YOGA)は最適です。運動法、呼吸法や瞑想法を学びたい人は、清野メディカルヨーガもしくはお近くのヨガ教室(YOGA School)にご相談戴きたく思います。
現在、使用者は労働契約を締結する際・更新する際に、一定の労働条件を労働者に明示しなければならないことになっています。その労働条件を明示する際のルールについて、今年の4月1日から、重要な改正が施行されます。その内容をご存じでしょうか?
内容を読むと労働契約の締結時や更新時の明示事項が増え、説明義務が強化されただけにみえるかもしれませんが、労使双方にとって重要な改正です。
改正の内容は、有期労働者にのみ適用される変更と、全ての労働者に適用される変更の2つに分類されますが、今回は、有期労働者に適用される変更について解説します。
意外と知られていないことですが、実は、現在でも、同一の使用者との間で、有期労働契約が5年を超えて更新された場合、労働者が申し込めば、有期労働契約が期間の定めのない労働契約に転換されます。労働者が申し込んだ場合、使用者は拒否することができません。いわゆる無期転換ルールと呼ばれるものです。
条件等はあるものの、既に、有期労働者にとって雇用の安定につながる制度があるのです。しかし、残念ながら、十分に活用されているとはいえない現状があります。
その理由はいくつか考えられます。無期労働契約に転換されることを希望しない有期労働者がいらっしゃるようです。無期労働契約に転換されると、業務内容の拡大や責任の増加等の懸念があるからという理由のようです。そして、無期転換ルールの存在自体をご存じない方が多くいらっしゃることが調査でわかっています。また、無期転換ルールはご存じでも、ご自身に無期転換申込権が発生しているかわからない方もいらっしゃいます。
そこで、これらの問題点を解消するための改正がなされたのです。以下で、改正の概要についてご解説します。
前述の通り、無期転換ルールをご存じでない有期労働者が多いことが調査でわかっていますので、無期転換の申込権が発生する契約の更新のタイミングごとに、使用者が有期労働者に対して、「無期転換の申込をできること」を書面で明示することが必要になりました。
無期労働契約に転換された後の労働条件がわからないと、無期転換を申込むかどうかを有期労働者が検討しがたいため、使用者は有期労働者に対して、無期転換後の労働条件を書面で明示することが必要になりました。なお、無期転換の申込権が発生する契約の更新のタイミングごとに必要です。
なお、就業規則や個々の労働契約等で特別の定めを設けなければ、契約期間以外は、無期転換する前と同じ労働条件となります。
更新の上限を設けること自体は問題ありませんが、もし、更新の上限がある場合には、例えば、「契約期間は通算3年を上限とする」などと内容を明示しなければならなくなります。有期労働契約の締結時・及び更新のタイミングごとに明示が必要ですので、更新の上限がある会社では働きたくないという場合、入社しないという選択を有期労働者はすることができるようになります。
他にも、いくつか改正事項があります。詳細な内容は厚生労働省のWEBサイトでご確認ください。
冒頭で述べた通り、今年4月施行の改正は、表面上は労働契約の締結時や更新時の明示事項が増えたり、説明義務が強化されたりしただけに見えるかもしれませんが、労使双方にとって大きな影響がある改正ではないでしょうか?
有期労働契約で働いている労働者の間で、無期転換ルールの認知度は向上するはずです。また、無期労働契約への転換を申込むかどうか検討しやすくもなります。したがって、今後は、無期転換を申し込む有期労働者が増えていくことになると思われるからです。
]]>ハクビシンの被害は、年々増加の一途をたどっています。東京都のハクビシンに関する「都民から寄せられた相談件数」によると、以下の通り約9年間で1,000件程増加しています。
●平成25年度のハクビシン相談件数:約1,500件弱
●令和4年度のハクビシン相談件数:約2,500件
毛皮需要のために戦時中に導入されたハクビシンは、現在では日本全土に広く生息しています。
農産物や野菜を荒らすだけでなく、住宅の屋根裏や天井裏に侵入し、断熱材や配線をかみ切ったり、糞尿や騒音で迷惑をかけることがあります。
さらに、ハクビシンはノミやダニなどの害虫を運ぶ可能性があり、同時に狂犬病やエキノコックスなどの感染症を媒介するリスクもあります。
ハクビシンはジャコウネコ科に属する動物で、体長は約50cm〜1m、体重は約4kgほどあります。灰色の毛に覆われた体をしており、白い線の入った鼻が特徴的です。
ハクビシンは日本全国に分布しています。基本的には低山の森林に住んでいますが、平地や高地で暮らすことも。時には家の屋根裏を寝床にすることから被害が発生しているのが現状です。
ハクビシンは人に気づかれないようにひっそりと暮らしています。警戒心が強くて臆病なことから昼間は寝床に隠れており、夜になって人がいなくなると、食べ物を探しに出かけます。
ハクビシンは皮膚にダニがついていることが多く、「疥癬症(かいせんしょう)」という病気を患っている確率が高いです。
ヒゼンダニ(疥癬虫)というダニが寄生して起こる皮膚病であり、腹部、胸部、大腿内側などに激しいかゆみを伴います。
また、ハクビシンは住居に巣を作り糞尿をすることで、そこが感染症を引き起こす寄生虫の発生源になることがあります。
ハクビシンの被害を防ぐためには、ハクビシンの生態や生息場所を知り、効果的な予防・駆除方法を実践することが必要です。
ハクビシンの予防・駆除方法には、以下のようなものがあります。
ハクビシンは「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護管理法)」の対象となっている野生動物のため、個人での駆除や捕獲は禁止されています。
実害が出ている場合は、お住まいの地域の地方自治体に有害鳥獣捕獲申請を行い、捕獲します。その後、法律に従い殺処分を行うことになります。
次に、ハクビシンを捕獲する罠を設置します。ハクビシンを捕獲する罠は、主に以下の3種類があります。
●吊り餌式
●踏み板式
●くくり罠
「吊り餌式」と「踏み板式」は箱罠と呼ばれ、箱に罠を設置し、引っ掛かると扉が閉まり捕獲される仕組みです。
一方で「くくり罠」はワイヤーを使用した罠で、餌を置いた木製またはプラスチック製の円筒型の罠です。
忌避剤とは、ハクビシンが嫌がるにおいや味を持つもので、ハクビシンを追い出す・寄せ付けないために使用するアイテムです。
忌避剤はネット通販やホームセンターなどで手軽に購入でき、シートタイプや粒剤タイプなど様々な種類があります。
ただし、製品によっては効果が一時的なこともあり、根本解決に至らない可能性があることに注意が必要です。
ハクビシンの予防・駆除方法の中で最も確実かつ安全な方法は、害獣駆除専門業者に依頼することです。
害獣駆除専門業者はハクビシンの生態や特徴を熟知しており、効果的かつ迅速にハクビシンを駆除できます。
また、ハクビシンの巣や糞の掃除や消毒、侵入経路の封鎖などのアフターケアも行ってくれます。
実際に、私が所属している「駆除ザウルス」では駆除施工から再発防止の予防消毒まで一貫して行っております。ハクビシンにお困りの際は、専門業者にご相談する事をお勧めいたします。
]]>地球の明暗周期に生命活動を同調して整える生理現象を「サーカディアンリズム」と言い、ほ乳類、植物、昆虫、魚、菌類など、地球上のあらゆる生き物に備わっている体内時計です。
地球の自転は「概(おおむね)1日周期」なので、「概日(がいじつ)リズム」とも言われます。
ヒトの体内時計は地球の1日周期である24時間と同じではなく、およそ25 時間であるという結果が1960年代に時間生物学の創始者アショッフ教授の研究実験によって証明され、現在では光環境を厳密にコントロールした実験によってその周期が24 時間10分であるという研究結果も発表されています。
このように、24時間の概日リズムとヒトの体内時計との約10分から1時間の誤差によって、地球の周期とヒトの生活にずれが生じるため、健康に影響を及ぼします。
体内時計による生命活動は、動物や植物なら自然に出来きている簡単で当たり前なことですが、現代の人間にとっては、昼夜を問わない社会環境や無意識に繰り返す生活習慣がそれを邪魔しています。
体内時計が整わないと、細胞の老化や免疫機能の低下、自律神経やホルモン分泌の乱れ、体脂肪の蓄積など、病気の原因を作り出し、維持できるはずの美しさや健康を損なってしまいます。
人間もまずは生き物であることを意識して、身体を自然に合わせてチューニングしてみましょう!
さて、体内時計はどこにあるのでしょうか?
人間は脳内の視床下部の一部にある中枢時計と、臓器や細胞などの各組織に配された末梢時計を持ち、神経などを介して生命活動を調整しています。体内時計を整えるためには、地球の明暗周期に合わせ、食事や日中の活動を行うなど、意識すれば簡単にできることがほとんどです。
まず、脳内の中枢時計を整えるのは、眠りのホルモンと言われるメラトニンという分泌物です。太陽が沈み、暗くなることによって脳の松果体において眠りへと誘うメラトニンが分泌されます。
松果体はちょうど眉間にあり、その位置からヨガ的には第三の目とも言われています。
興味深いことに、爬虫類には頭頂眼という第三の目が残っています。見ためは眼ではありませんが、粒のような形をしていて光を感知する細胞です。
松果体で分泌されるメラトニンは、眠りを誘うほかに、抗酸化作用によるアンチエイジング、病気の予防や疲れを取るなど、さまざまな作用があります。
メラトニンは、光によって分泌が止まってしまいますので、夜には明かりを落とす、スマホやPCのライトをナイトモードにするなどの工夫をしてみて下さいね。
朝陽を浴びることによって分泌されるセロトニンは、夜のメラトニン分泌のタイマーをONにするスイッチの役割です。
セロトニンは脳内で作用する神経伝達物質で、心身をリラックスさせたり精神を安定させたり、やる気を引き出す幸せホルモンと言われ、QOL(クオリティオブライフ)を向上させます。
セロトニンの分泌を促すには、朝起きたら陽を浴びます。また、リズムのある運動をすることで分泌が促されます。ヨガの太陽礼拝や呼吸法、スクワット、散歩もおすすめです。
数百年前から世界各国で行われている「太陽礼拝」というヨガの練習は、繰り返される12ステップの動きで、内臓の活動やホルモン分泌を促し、気(プラナ)や循環を整え、筋肉骨格を強化します。
ちなみに、セロトニンのほとんどは腸で分泌されるので、日頃から腸内環境を整えておきましょう。
腸内を整えるには、朝食までに白湯と黒胡椒の摂取がおすすめです。
熱めの白湯を500mlほど飲むと、胃腸や内臓の調子がよくなります。また、黒胡椒は3粒〜5粒ほど噛んで食べます。辛いのが苦手な方は、口の中で外の黒皮が柔らかくなるまで待ってから飲みこみます。
セロトニンを増やす成分はトリプトファン(アミノ酸)であり、肉や魚、大豆、ナッツ類に多く含まれます。
成長ホルモンは子どもにはもちろん、大人にも大事なホルモンで、体を若々しく保ちます。脳の下垂体前葉から分泌され、全身に作用します。細胞のターンオーバーを促進させて美肌を作り、認知症予防、免疫アップ、体脂肪減少、筋肉増大、骨の発達など、アンチエイジングの一躍を担っています。
成長ホルモンを活性化するには、適度な空腹・ストレス(心地よい疲労感)・運動を心がけましょう。例えば、間食を控える、趣味や仕事の目標設定を行って頑張る、筋肉を使う運動などです。
成長ホルモンは、特に睡眠中に多く分泌されるため、暗い寝室で十分な睡眠時間を確保します。
以上、様々なホルモン分泌の連携によってサーカディアンリズムが整うと、身体の状態を一定に保つ「ホメオスタシス(体内恒常性)」が適正に働き、さらに様々なホルモン分泌が促され、バランスの良い心身の状態が維持されます。
参考:総務省認定 学術刊行物 日本成人病予防協会内 成人病予防対策研究会『ほすぴ』
昼夜問わず照明やスマホの光を浴び、忙しくて朝陽を浴びたり散歩したりするゆとりがない、十分な睡眠時間が取れないなど、思い当たる方は不調や病気になる前に一度立ち止まってみて下さい。
人間も自然の一部、生き物です。何気ない普段の食事、睡眠、運動を意識することから始めましょう。自然のリズムと身体をチューニングして、心地よい感覚を味わってみて下さいね。
2024年1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする最大震度7の地震が発生しました。現在、多くの人が避難所生活をしています。能登地方には雪が降っており、気温が低くなっています。集団生活による感染症が心配されていますが、それと同じくらい問題になっているのが、低体温症です。体育館の床に直接座る事や寝る生活は、体温を奪います。低い室温での生活も、低体温を招きます。
低体温症とは、深部体温が35℃以下になった状態のことを指します。深部体温とは身体内部の体温で、食道・直腸・膀胱などの温度を言います。
深部体温は、以下の状態になると、低体温症と診断されます。
35〜32℃ 軽度
32〜28℃ 中等度
28℃以下 高度
低体温症になると、意識、判断能力の低下、循環機能の低下などの症状がみられます。ひどくなると、心筋梗塞を起こし、死に至る事もありますので、体温低下を軽んじると取り返しのつかないことになりかねません。
1月になり、気温が低くなっています。小寒、大寒と言われる寒い季節ですので、体温低下を防ぐ対策が必要です。低体温は室温や床面に対する対策が必要です。詳しくは、JIJICO内にある下記コラムをご参照ください。
18℃未満の室温で生活すると危険!?寒い部屋は死亡率が増加!!
寝室にいる時間は、睡眠時間を8時間とすると、一日のうちの約3分の1になります。
日中に比べて夜は気温が低く、午前3時から5時頃が最も低くなります。そのため、低体温症の予防には、寝室の環境整備が必要です。下記が、主な予防策です。
1.窓に断熱材を貼る
2.窓の冷気を防ぐためカーテンを二重にする
3.フローリングの際全面に畳または絨毯を敷く
4.床から伝わる冷気を避けるため就寝時はベッドなどを利用する
5.冬季はエアコンを付けて寝ると喉が渇く・痛くなるなどを生じやすいので 就寝時にはオイルヒーターを活用して室温を10℃以上に保つ
6.寝具は多めにして暖かい素材の敷毛布を活用する
7.頭を北向きにして頭の部分には衝立(ついたて)をするなど冷気が来ないようにする
また、自分で出来る対策には、下記があります。
A.毎日運動する
B.服装に注意する
C.室温に注意する
D.日光浴をする
詳しくお知りになりたい人は、JIJICO内にある下記コラムをご参照ください。
北向きの部屋にいると病気になりやすい?日当たりの確保が病気回復には大切!?
低体温になると
1)震えが止まらなくなる
2)動作が緩慢になる
3)思考能力が低下する
4)反応が鈍くなる
5)身体が冷たくなる
等の症状が出ます。疲れてくると出て来る症状なので、軽く考えがちですが、この症状が長く続くと、心拍数や呼吸数が低下して、最終的には心臓が停止します。
体温は、36.6℃から37.0℃が理想的です。36.1℃から36.5℃の人は身体機能がやや疲労気味です。35.5℃から36.0℃の人は病気予備軍です。
36℃以下の人は、積極的に低体温症対策を行う必要があります。35.4℃以下の人は、何らかの病気が潜んでいるかもしれませんので、検査をした方が良いかもしれません。34℃台の人は、鍼灸治療をして体温上昇に努めることを勧めます。
低体温症に対する予防策は、被災地の避難所で暮らす人にとって、救援物資が届かない限り、ほぼ出来ない事ばかりです。長期化する事により、精神面での苦痛も大きくなり、体調が悪化します。先進機器による治療や服薬が中心である西洋の医療は、被災地で十分な医療を提供することが困難です。2011年(平成23年)3月11日に発生した東日本大震災の時は、多くの柔道整復師や鍼灸師がボランティアに訪れました。レントゲン検査に充当する診察技術を備える柔道整復術は、骨折や脱臼などの外傷をした被災者には、緊急を要した際に活用できる有効な治療として受け入れられました。また、鍼灸治療は、薬物治療に代わる医療として、多くの被災者に活用して戴きました。初めて鍼灸治療を受けた人も多かったのですが、体に手で触れる治療は、「からだだけではなく、こころが癒される」と評判でした。地震が来る度によみがえる恐怖は、トラウマ(心的障害)として残る人が多いのですが、鍼治療はトラウマの解消に有効です。アメリカの軍隊でも、戦争で受けた軍人のトラウマ治療に鍼治療(バトルフィールド鍼灸(Battlefield Acupuncture・戦場鍼施術・米軍採用耳鍼療法)が行われています。その治療方法は、服を脱がなくても良く、座ったままで出来るため、アメリカ国内の被災地では、鍼治療が大いに活用されています。
柔道整復治療は、震災発生後から2週間をピークに4週間程の期間において必要な医療です。外傷に対しては、医療体制が整うまで必要な医療と言えます。
鍼灸治療は、2週間後から4週間程度経過した後に表れる体調不良に必要な医療です。避難生活が長期化すればするほど、鍼灸治療は有効です。東日本大震災の時は、宮城県において、鍼灸治療を無料で提供する支援が行われています。今回の能登半島地震で、緊急支援医療チームに、鍼灸師、柔道整復師、あん摩マツサージ指圧師が派遣され、東洋医療が提供されることを願っています。
東日本大震災や世界における東洋医療のボランティア状況については、全日本鍼灸学会や日本柔道整復接骨医学会の研究誌やホームページを参照戴きたく思います。
低体温症は、心筋梗塞や脳卒中を誘発する恐れがあります。身体が冷たくなり動作や思考回路が緩慢になったら、室温を上げて暖かい服装に着替えましょう。養生しても回復しない人は、是非鍼灸治療(内外科治療)をお試し戴きたく思います。体温が低い人には、特に灸治療が有効です。鍼灸治療は、身体の外側から内臓機能に働きかける事が可能な「内外科治療」です。薬物治療(内科治療)や外科手術(外科治療)をしても症状が消失しない人は、お近くの鍼灸院または鍼灸師が勤務している医療機関にご相談ください。
また、骨折・脱臼・捻挫には、柔道整復治療(内外科治療)が有効です。緊急を要するときは、お近くの接骨院・整骨院をご利用戴きたく思います。けがをしたら6時間以内に処置することが理想的です。外傷に対する詳しいことは、JIJICO内にある下記コラムをご覧戴きたく思います。
骨が折れたなと思ったらすべき事は何か 冷やし過ぎは良くない?
脱臼した時に関節を自分で戻すのは危険 もし骨折を伴っていたらどうなる?
捻挫は放置しても治らない 有効な治療方法は?
打撲をしたら最初にするべきことは? 冷やすだけで治るのか
肉離れって何?筋肉は切れたら元に戻るの
体温の維持・上昇に、ヨガ(YOGA)は最適です、運動法、呼吸法や瞑想法を学びたい人は、清野メディカルヨーガもしくはお近くのヨガ教室(YOGA School)にご相談戴きたく思います。東日本大震災の時は、被災地でヨガ(YOGA)ボランティアをした人がたくさんおりました。心身に不調を感じている人は、是非ヨガ(YOGA)を試して戴きたく思います。
]]>金継ぎは室町時代より発祥したとされる、器を直す技術です。
欠けてしまったところや、割れてしまったところに金粉をまぶしていくことが “金継ぎ” と言われる理由です。
直す道具には漆の木の樹液を使用します。
漆は日本の歴史の中では欠かせないもので、金継ぎ以外にもたくさん使用されています。
なんと、縄文時代には漆を使用して土器を直したような跡が見つかっているほど。
最近ではテレビでも取り上げられ、書店では金継ぎの本がたくさん売られています。
話題になったキッカケはいくつかありますが、一番の理由はSDGsやサステナブルという考えが広まったことではないでしょうか。
金継ぎが器を直す技術であるということはもちろん、金継ぎしたあとのデザイン性も優れているのが、メディア的に訴求しやすい部分だったと思います。
東京2020パラリンピックの閉会式でも金継ぎが取り上げられていましたし、イギリスのBBCテレビではオリンピック選手と金継ぎをコラボしたビデオが放送されました。
他にも、ルイヴィトンやpumaが商品に金継ぎをデザインに取り入れるなど、2024年もまだまだ話題に上がることが予想されます。
上記したとおり、サステナブルな視点で金継ぎが取り上げられることが多いです。
ただ、それだけが金継ぎの魅力ではありません。
私が運営している金継ぎ教室に来られたお客様の声を交えて紹介したいと思います。
教室に来られたお客様の中に、破損箇所以外で、すでに金継ぎされた箇所がある器を持参された方がいらっしゃいました。
「金継ぎされたことがあるんですか?」と聞くと、お客様本人ではなく、お客様のご家族が直されたそうです。
「ここは昔に祖母が直したところで、こっちは母が直したところ。そして、今日は私が欠けちゃった部分を直したいんです」と、お客様が話してくださいました。
金継ぎされた箇所はそれぞれ違う色味となり、それがご家族の歴史を刻んでいるようでした。
金継ぎはずっと金色のままではなく、使っていると徐々に金が剥がれ、下の漆の色味が出て黒っぽくなります。
この変化を、経年で美化していると考えられていたり、育てるなんて言ったりします。
このように、金継ぎは使った後の経年の変化も魅力的なポイントです。
教室に来られる方の多くが、金継ぎ未経験の方です。
金継ぎは結構大変で、時間もかかりますし、慣れない道具でうまくいかないこともあると思います。
それでも最後にはしっかり使えるように直り、「むしろ金が入って前よりも素敵になった」と言ってくださる方も少なくありません。
「仕事で忙しく、こんなに集中して取り組むことは久しぶりだった」
「どんどん直っていく過程を見て、気持ちがリフレッシュされた」
というお声を、お客様から聞くことも多いです。
金継ぎは大変な作業もありますが、その大変だったという思い出も器に跡として残っていきます。
金継ぎの修理を依頼する選択肢もありますが、直したい器がある方はご自身で金継ぎするのもおすすめです。
金継ぎの魅力について紹介しましたが、実際にやってみるとさらに新しい発見があると思います。
大切な器が壊れてしまった時に、これを読んだ方が金継ぎを思い出していただけたら嬉しいですし、すでに破損した器がある方で、これをキッカケに始めていただけたら嬉しいです。
直したい器が無くても、体験用の器がある教室もあります。
今では金継ぎの書籍も充実していますし、インターネットで道具も購入できる時代です。
今年はぜひ、金継ぎをはじめてみてはいかがでしょうか?
そのかゆみは睡眠障害や皮膚トラブルを引き起こし、さらに感染症の拡散リスクも潜む危険があります。
この記事では、最新の統計データから読み解くトコジラミの被害の実態と、私たちの日常生活に及ぼす影響について解説します。
トコジラミに関する相談件数は、2023年11月までに東京で306件、大阪で307件と、たった2都市のみで2022年度の683件に迫っています。
トコジラミは、主に海外旅行客や渡航者の衣類やバッグに付着して持ち込むことで発生します。また、流通の発達によって海外から輸入されるベッドなどの家具に紛れ込んでいたことが原因で、時折持ち込まれることがあります。
トコジラミの発生時期は6~9月ですが、暖房が発達している日本の室内では1年中生息できるのが特徴です。
トコジラミの成虫は体長5~8mmほどで、扁平楕円形の赤褐色をしています。吸血するとおなかの部分が膨れ、体長が1.5倍以上に伸びるのが特徴です。
トコジラミは特に狭く暗い場所を好み、昼間や部屋が明るい時には隙間に身を潜めています。
●畳の裏や隙間
●カーテンの折り目・縫い目
●布団や枕のマットレスの縫い目や隙間
●家具の隙間
上記のような見落としがちな場所に潜んでおり、血糞や卵、死骸が見つかることがあります。
トコジラミは吸血害虫で、刺されると唾液に含まれるアレルギー物質がかゆみや発赤を引き起こします。
かゆみが激しい場合、十分な睡眠が難しくなり、かきむしることで皮膚障害が生じる可能性があります。
トコジラミは人間の体から発せられる熱と二酸化炭素に引き寄せられ、主に夜間に活動します。夜行性で、就寝時や明け方3~5時に多く活動し、お腹が空いていると昼間でも吸血の可能性があるため注意が必要です。
夜な夜なかゆみに悩まされ、刺された痕や血糞などのしるしを見つけたら、それはトコジラミの可能性が高まっています。
被害を拡大させず快適な空間を取り戻すためには、早急な駆除が不可欠です。
ただし、一般的な殺虫剤が必ずしも有効でないことにも留意しなければなりません。また、燻煙殺虫剤の利用は逆に広がる可能性があるので慎重に行う必要があります。
以下では、トコジラミの駆除方法について解説します。
ゆっくりと掃除機を動かし、吸い込んだごみはすみやかに封をして廃棄しましょう。ただし、トコジラミを吸い込んだ掃除機を被害のない場所に放置しないように気をつけましょう。そうすることでトコジラミの蔓延を防げます。
トコジラミや卵を見つけたらガムテープを使用して捕獲します。ガムテープはしっかりと密封して捨て、素手では触らないようにしましょう。
購入前に必ず有効成分を確認し、プロポクスルまたはメトキサジアゾンが含まれた殺虫剤を選びましょう。ピレスロイド系殺虫剤は効果がない可能性があるため要注意です。
被害が拡大した場合、駆除よりも処分が確実かもしれません。家具や不要なアイテム、特にトコジラミが潜むかもしれないダンボールは即座に処分しましょう。
トコジラミは一度増えてしまうと自力での完全駆除が難しくなるため、早めの対策が必要です。私が所属している「駆除ザウルス」では、駆除施工から再発防止の予防消毒まで一貫して行っております。トコジラミにお困りの際は、専門業者にご相談する事をお勧めします。
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